ビットコイン(BTC)は23日、軟調な経済ニュースを受けて2%上昇した。イーサリアム(ETH)は4.8%、ポルカドット(DOT)とアバランチ(AVAX)も4%以上上昇した(ただし、日本時間24日10時50分頃には、再び2万1200ドル付近まで下落している)。
7月の米新築住宅販売件数は前月から12.6%減少し、2016年7月以来の低水準となった。住宅販売件数の減少は、インフレ抑制のためのFRB(米連邦準備理事会)の積極的アプローチが、経済をリセッション(景気後退)に陥らせることなく減速させていることの最新の証拠となっている。
「マクロ経済の悪いニュースは(暗号資産にとっては)良いニュースであり続けるので、精彩を欠いた住宅販売データは、穏健的なFRBの動き、ドル安、強い暗号資産といった状況を生み出す」とジェネシス・トレーディング(Genesis Trading)のデリバティブ責任者、ジョシュア・リム(Joshua Lim)氏は述べた。
トレーダーはポジティブなニュースを期待している。先週発表された7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録は、FRBの今後の方針が具体的にどうなるのか、特に9月にFRBはどの程度、金利を引き上げるのか明確にはならなかった。
0.5%あるいは0.75%のさらなる利上げは、最近のFRB議長の発言をハト派的と解釈してきた市場にとっては痛手となる可能性が高い。特に0.75%の利上げは、FRBが物価上昇を強く懸念していることを示すことになる。
最新価格
●ビットコイン:21,538ドル、+2.2%
●イーサリアム:1,654ドル、+5.4%
●S&P500:4,128.70、-0.2%
●ゴールド:1,759ドル、+1.5%
●米国10年債利回り:3.05%、+0.02
CMEのビットコイン先物、大幅なディスカウント
世界最大級のデリバティブ市場であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物は、8月の満期日を前にスポット価格に対して少なくとも2年半で最大のディスカウントとなった。
アーケーン・リサーチ(Arcane Research)のデータによると、22日、期近物先物は3.36%のディスカウントとなった。同社が2020年1月からデータを取り始めたなかでは過去最低の値(CMEのビットコイン先物は2017年12月から取引されている)。
アーケーン・リサーチのアナリスト、ベトレ・ルンダ(Vetle Lunde)氏は「ディスカウントの拡大は、一部は構造的なものだろう」としつつも、「S&P500とナスダックが週初めに波乱となる一方で、ドル指数が新たな高値に向かって上昇するなか、流動性の悪化や広範なデリスキングの症状を示しているかもしれない」と語った。
アルトコイン
●低迷を続けたイオス、ハードフォーク発表で上昇:2018年にICO(新規コイン公開)を行って以来、ほぼ低迷を続けてきたイオス(EOS)だが、先週、基盤プロトコルをAntelope(アンテロープ)に切り替えると発表したことで、1週間で28%上昇した。
●ソラナ基盤のプロジェクト、クロスチェーンメッセージングの標準構築:Notifi Network、Bonfida、Only1の3社は、ソラナ基盤の「Open Chat Alliance」を主導。アライアンスは現在、19の参加団体で構成されている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Skew, Arcane Research
|原文:Market Wrap: Crypto Assets Rise Following Soft Home Sales in July