ビットコイン(BTC)の先行きは、FRB(米連邦準備制度理事会)の動きと密接に関連しているという見方は、広く語られている。その結果、次の大幅な価格上昇を狙う多くのトレーダーは、FRBがインフレに対する勝利宣言を行い、引き締め政策を終えることを待っている。
FRBの動向が重要なことは間違いないが、マクロ経済要因とは無関係で暗号資産市場に特有の指標、例えば、ビットコインの休眠指標も次の強気相場のタイミングを知るうえで同様に価値があるといえるだろう。
「休眠ビットコインのピークは、価格上昇のための跳躍板(踏み切り板)」とベストセラー本『Layered Money』の著者Nik Bhatia(ニック・バティア)氏と、市場アナリストのジョー・コンソルティ(Joe Consorti)氏はニュースレーター「The Bitcoin Layer」の最新版に記した。
バティア氏によると、ビットコインは流通していない供給量の割合が少なくとも1年間高水準となった後、数カ月にわたる急激な価格上昇を見せる傾向があるという。
過去に2回
上図にあるように、少なくとも1年間動いていないビットコイン(休眠ビットコイン)の割合は2016年1月にピークを迎え、その後、21カ月にわたって強気相場が続き、価格は450ドルから2万ドルへと4000%を超える驚異的な上昇を見せた。
同様に、2020年第3四半期に再びピークを迎え、その後、ビットコインは2021年4月までの半年間で1万ドルから6万ドル超まで上昇した。
ブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)のデータをもとにした当記事執筆時点では、少なくとも1年間休眠しているビットコインの割合は過去最高の65.76%に達している。
歴史が繰り返すなら、ビットコインはこの指標がピークに達した後、再び急上昇するかもしれない。
「ビットコインの3分の2が極めて長い期間、市場に出ていないとき、限られた供給を競い合う買い手が市場に増えると価格は上昇する。このシナリオは過去2回、ビットコインで見られた」とバティア氏は述べた。
ただし、このデータには限界があり、デリバティブ、トークン化ビットコイン、ETF(上場投資信託)など、急成長しているビットコイン関連プロダクトは考慮されていない。こうしたプロダクトにロックされたビットコインは、オンチェーン指標には表れないとしても、活発に取引されている。
とはいえ、休眠ビットコインと価格動向の関係は要注目だ。
「因果関係なのか、状況証拠なのかはわからない。だがデータが前のサイクルと逆の動きを見せるときは注意を要する」とバティア氏は語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Parabolic Bitcoin Bull Run Likely After Dormant Coin Supply Peaks, Past Data Suggests