この1年、ナイキやペプシといった大企業がNFTに関心を持つ顧客をターゲットにして何億ドルもの利益をあげた。Web3は暗号資産のニッチなコンセプトからメインストリームなムーブメントになっている。
ブランディングに長けた大企業がNFTプロジェクトを成功させようと競うなか、中小企業も素晴らしい成果をあげている。その1つが「Soapy Joe’s」という洗車チェーン。7月初旬にNFTキャンペーンを開始した。
このスカベンジャーハント(がらくた集め)形式のキャンペーンでは、洗車チェーンの会員は17カ所ある洗車場を使うと、異なるNFTを集めることができる。NFTをたくさん集めるとさまざまなプレゼント──キーホルダーや帽子、遊園地チケット、洗車場の年間利用チケットなどがもらえる。
「顧客が複数の洗車場を訪れているという点に関して、当社の11年の歴史の中で見たことのない数字になっている。驚いている」とSoapy Joe’Sのマーケティング担当バイスプレジデント、アン・モーラー(Anne Mauler)氏は語った。
キャンペーンが始まってから2カ月半で、Soapy Joe’sの顧客は約2000のウォレットで1万以上のNFTを手にした。また会員数もキャンペーン開始以来10%増加し、4カ所以上の洗車場を使う顧客も大幅に増えたとモーラー氏は述べた。
finally I have visited 16 different soapy joe’s locations and gotten my car washed 20 times in one month @SoapyJoesCW pic.twitter.com/gXHH8uRv1O
— Russell Inu 🔜 Confuror/MFF/FC (@icecreaminu) September 11, 2022
結局、ひと月で16カ所のSoapy Joe’sを訪れ、20回洗車した。
NFTはSoapy Joe’sが洗車のたびに配っている芳香剤のデザインがモチーフ。芳香剤自体は同社のヘビーユーザー「Soapy Squad」の間でカルト的な人気を集めている。モーラー氏は芳香剤の熱狂的な人気を「現実世界の中のNFTみたいなもの」と表現した。
NFTの発行は、ユーザーが洗車場を使ったあとにSoapy Joe’sがメールでリンクを送る。同社によると、メールの開封率は71%で通常のキャンペーンよりもはるかに高いという。
この「サマーパスポート」キャンペーンは9月30日までだが、これが同社最後のNFTキャンペーンになることはないだろう。Soapy Joe’sの担当者は今後数カ月のうちにNFT戦略を構築すると述べた。具体的な計画はこれからだ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Soapy Joe’s
|原文:This San Diego Car Wash Is Using NFTs to Drive Up Demand