イーサリアムの資金調達率、Mergeを経て通常レベルに

イーサリアム(ETH)先物の資金調達率はMerge(マージ)から約1週間で通常レベルに戻った。マージに向けて、多くのトレーダーはポジションを維持するために非常に高い手数料を支払っていた。

そのためイーサリアム先物ではきわめて大規模な清算が進み、週あたりの取引高で、イーサリアムの現物(スポット)取引高が初めてビットコインを上回った。

現在、バイナンス(Binance)や他の暗号資産取引所ではショートポジションの資金調達率はマージ前の水準である0.0045%になっている。資金調達率は先物市場と現物市場の価格差に基づいて、トレーダーが定期的に手数料の一種。

イーサリアム先物の資金調達率は9月第1週にマイナス0.03%超の年間最低水準まで低下した。これはトレーダーが100ドルのポジションに対して数時間ごとに30セントを取引所に支払っいることを意味する。数百万ドルを扱うトレーダーが数日間あるいは数週間ポジションを持ち続けると、その額はすぐに膨れ上がる。

調査会社デルファイ・デジタル(Delphi Digital)のアナリストが20日のレポートで指摘したように、これは2020年3月の下落時に記録したマイナス0.157%を超え、資金調達率の史上最低値を更新したことになる。

「人気のトレードはイーサリアムの現物を買い、先物をショートすることだった。トレーダーはイーサリアムPOW(ETHPOW)のエアドロップを受け取るために現物を買っていた」とデルファイ・デジタルのアナリストは述べた。そしてこのトレードはマージ後、すぐに巻き戻されたと付け加えた。トレーダーが現物を売り、先物のポジションを巻き戻したためだ。

資金調達率の低下は直近では2021年6月に見られ、7月には大規模なショートスクイーズが発生した。だが9月はそうした動きは発生しなかった。ショートスクイーズとは、価格が急激に上昇し、借りた資産をより低い価格で買い戻すことを期待して売っていたトレーダー(ショート戦略と呼ばれる)にポジションを決済させることをいう。通常、さらなる価格上昇をもたらす。

イーサリアムは当記事執筆時点、1320ドル強で取引されており、過去24時間で2.4%下落している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Ether Funding Rates Revert to Normal Days After Successful Merge