2大ビットコインマイニング機器メーカーの1社、ビットメイン(Bitmain)は、暗号資産の弱気相場と世界的なエネルギー危機のなかで今年すでに70%ダウンしている販売価格をさらにカットしている。
ビットコイン(BTC)は年初から約60%下落、マイナーには苦しい状況が続いている。ロシアのウクライナ侵攻以降、各国はロシアからの石油と天然ガスの輸入を停止し、エネルギー価格は世界的に上昇している。
ビットメインは9月20日、アントマイナー(Antminer)S19 Pro 100テラハッシュ(TH)モデルの価格を19ドル/THに引き下げるとツイートした。Luxor Technologiesのデータによると、市場価格より約30%低い価格となる。
ビットメインは値引き前の価格を明らかにすることは控えた。ただし、ビットメインのウェブサイトに掲載された取引条件によると、ディスカウント価格で購入できるのは200台のみだ。
梱包されたままのマシン
昨年、ビットコインが史上最高値まで上昇したことで、マイナーはビットメインやその競合のマイクロBT(MicroBT)、カナン(Canaan)にマシンを求めて押し寄せた。だがその後、需要は鈍化し、Luxor Technologiesのデータによると、価格は1月1日の68ドル/THから9月20日には20.8ドル/THまで下落した。
「市場は新しいハードウェアで溢れている。一部は拡張を見込んで事前予約されたものだ」とCMG Cryptocurrency Mining GroupとMaverick Groupの共同創業者、デニス・ルシノビッチ(Denis Rusinovich)氏は述べた。実際、約1カ月前にアメリカに輸入されたマイニング機器は(メーカーがある)中国よりも1.5ドル/THも安くなっていた。
アメリカには25万~50万台の新しいマイニング機器が梱包されたままの状態になっていると、CleanSparkのマット・シュルツ(Matt Schultz)氏は推測している。
「ビットメインの19ドル/THというディスカウント価格は、マシン市場をさらに下落させることは間違いないだろう」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)のアナリスト、ジャラン・メレルド(Jaran Mellerud)氏は語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitmain Discounts Bitcoin Mining Machines in an Already Depressed Market