破綻した暗号資産(仮想通貨)レンディング大手、セルシウス・ネットワーク(Celsius Network)の創業者兼元CEOアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏は、同社が6月に顧客の資金引き出しを停止する数週間前に1000万ドル(約14億5000万円)を動かしていた。匿名の情報源の話をFinancial Timesが伝えた。
9月27日にCEOを辞任したマシンスキー氏は、5月に資金を動かしていたという。当時、暗号資産市場はテラ(Terra)エコシステム崩壊によって大打撃を受け、約600億ドルの価値が消失した。
Financial Timesによると、セルシウスは近日中に、広範な財務情報の開示の一部として、マシンスキー氏の取引の詳細を裁判所に提出する。
セルシウスは「極端な市場環境」を理由に6月、資金の引き出し、送金などを凍結し、7月には米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。その後、裁判所への提出書類で、43億ドルの資産に対し、負債は55億ドルにのぼり、12億ドルの債務超過であることが明らかになった。
チャプター11申請時にセルシウスは「(資金引き出しの)一時停止を行わなければ、出金が集中し、特定の顧客(最初に引き出しを行った顧客)に全額が支払われる一方で、他の顧客は当社が流動性の低い、あるいは長期資産から資金を回収するまで出金を待たされることになる」と述べた。
マシンスキー氏はその際、「我々のコミュニティと会社にとって正しい決断。我々はこのプロセスを通してセルシウスをリードする、強力で経験豊富なチームを擁している。セルシウスの歴史を振り返ったとき、コミュニティに貢献し、会社の未来を強化するために覚悟と自信を持って行動した決定的な瞬間だったと思えるはずだ」と述べていた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bankrupt Crypto Lender Celsius Founder, Alex Mashinsky, Withdrew $10M Weeks Before Company Froze Customer Accounts: Report