バイナンススマートチェーンが一時停止──1億ドルがハッキング被害か

バイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain:BSC)は10月6日、数億ドル規模のハッキング被害の可能性が明らかになり、運用を一時停止している。

「イレギュラーな動きのために、BSCを一時的に停止している」とBNB Chainの公式アカウントはツイッターに投稿。その後、ハッキングの可能性を認めた。

当初、6日遅くに最大200万BSCが被害にあったと思われたが、実害は小さい可能性がある。BNB Chainは、1億ドルから1億1000万ドル相当がチェーン外に移動したと推測しており、700万ドルはすでに凍結したとツイートした。

被害が(伝えられたよりも)少額で済んだことは、BNBが流出リスクの拡大よりもチェーン停止を選択したことのメリットを示した。ブロックチェーンは非中央集権的であり、単一の主体の思いつきで運用されないようになっている。つまり、スイッチを切るだけでは済まない。

クロスチェーンブリッジとして機能するBSC Token Hubでの問題を発見した後、チェーンの停止に向けて調整したとBSCは認め、バリデーターの迅速な対応に感謝を示した。

「我々は、資金凍結に向けたコミュニティのスピードと協力に大変感謝している」(BSCのツイート)

だがハッキングはBSCのネイティブトークン、バイナンスコイン(BNB)に影響を与え、CoinMarketCapによると価格は293.10ドルから280.40ドルまで下落した。

オンチェーンデータは、ハッカーによって100万BSCの引き出しが2回行われたことを示しているが、BNBは「すべての資金は安全」とツイートしている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Binance Smart Chain Halts After ‘Potential Exploit’ Drains Estimated $100M in Crypto