バイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain:BSC)は10月6日、数億ドル規模のハッキング被害の可能性が明らかになり、運用を一時停止している。
「イレギュラーな動きのために、BSCを一時的に停止している」とBNB Chainの公式アカウントはツイッターに投稿。その後、ハッキングの可能性を認めた。
An exploit on a cross-chain bridge, BSC Token Hub, resulted in extra BNB. We have asked all validators to temporarily suspend BSC. The issue is contained now. Your funds are safe. We apologize for the inconvenience and will provide further updates accordingly.
— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) October 6, 2022
当初、6日遅くに最大200万BSCが被害にあったと思われたが、実害は小さい可能性がある。BNB Chainは、1億ドルから1億1000万ドル相当がチェーン外に移動したと推測しており、700万ドルはすでに凍結したとツイートした。
被害が(伝えられたよりも)少額で済んだことは、BNBが流出リスクの拡大よりもチェーン停止を選択したことのメリットを示した。ブロックチェーンは非中央集権的であり、単一の主体の思いつきで運用されないようになっている。つまり、スイッチを切るだけでは済まない。
クロスチェーンブリッジとして機能するBSC Token Hubでの問題を発見した後、チェーンの停止に向けて調整したとBSCは認め、バリデーターの迅速な対応に感謝を示した。
「我々は、資金凍結に向けたコミュニティのスピードと協力に大変感謝している」(BSCのツイート)
だがハッキングはBSCのネイティブトークン、バイナンスコイン(BNB)に影響を与え、CoinMarketCapによると価格は293.10ドルから280.40ドルまで下落した。
オンチェーンデータは、ハッカーによって100万BSCの引き出しが2回行われたことを示しているが、BNBは「すべての資金は安全」とツイートしている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Binance Smart Chain Halts After ‘Potential Exploit’ Drains Estimated $100M in Crypto