寄付はウクライナ宛てだけではない──400万ドルの暗号資産がロシア軍を支援するグループに:報道

ウクライナへの寄付は、暗号資産の新たな可能性を示したが、一方で、これまでに少なくとも400万ドル(約5億8000万円)相当の暗号資産(仮想通貨)がロシア軍を支援するグループに送られたと、10月7日に公開されたWiredの記事は記している。

また記事によると、数百万ドルが公式に制裁対象となったこともある民兵組織に送られ続けているという。

記事は、ブロックチェーン分析企業のChainalysis(チェイナリシス)、Elliptic(エリプティック)、TRM Labs、および大手暗号資産取引所Binance(バイナンス)などのリサーチを引用している。

Chainalysisは、民兵組織への資金提供が過去2カ月で約180万ドルにのぼったことを突き止めた。さらにその前の5カ月で、220万ドルを受け取っていたという。バイナンスは、2月以降、420万ドルの暗号資産がロシアの軍事グループに送られたことを明らかにした。ただし、両社の調査結果は完全に一致したわけではない。

資金の流れは追跡できたが、その流れを止めることは困難。ほとんどがロシアにある、無認可あるいは制裁対象となった暗号資産取引所を利用しているためだ。

「ChainalysisやBinanceのような企業との密接な連携により、今回の犯罪行為にかかわるすべてのウォレットをチェックすることができる。だが残念ながら、送金はずっと続いていることがわかる」と、ウクライナのサイバー警察の元副長官で同国検事総長の顧問、セリ・クロパイバ(Serhii Kropyva)氏は述べた。

共通に見られた手口は、クラウドファンディングによる寄付を募るメッセージアプリのTelegramの投稿だったという。投稿には、資金は「ドローン兵器から無線機、ライフルの付属品、防弾チョッキ」まで、あらゆるものに使われると記されていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:$4M in Crypto Sent to Pro-Russia Militias in Ukraine: Report