値動き
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は13日、9月の 米CPI(消費者物価指数)が事前予想を超える上昇率となったことを受けて大きく下落した後、反発した。
ビットコインはCPI発表直後の数分間で3%下落。取引高はその時間帯の平均的な取引高の8倍にのぼった。ビットコインは1万9000ドルを割り、一時1万8100ドル付近まで下落した(日本時間14日11時頃には、1万9800ドル付近まで上昇している)。
イーサリアムも同様に取引高が急増し、5%下落。当記事執筆時点では、1300ドルを割っている(日本時間14日11時頃には、1325ドルまで回復している)。
暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、0.26%上昇。
マクロ経済状況
米労働省が13日発表した9月のCPI(消費者物価指数)は、暗号資産をはじめとするリスク資産にとっては、悪いニュースになったようだ。
9月のCPI(消費者物価指数)は、事前予想の8.1%を上回る8.2%上昇。変動の大きいエネルギーと食品を除いたコアCPIは、事前予想の6.5%に対して6.6%上昇。コアCPIは40年ぶりの上昇率となった。
CPIは前月比も0.4%上昇、事前予想は0.2%で3カ月ぶりの高水準となった。主な上昇要因は住居と食料、一方、ガソリン価格の下落が上昇を一部相殺した。
エネルギー価格の夏場の下落を除けば、インフレ率は依然として高いまま。OPECの減産決定で、エネルギー価格は上昇の可能性がある。
FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ抑制に動いているにもかかわらず、短期的には改善が見られないことから、前月比のデータは特に問題視されているようだ。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のFedWatchを見ると、CPI発表後、0.75%の金利引き上げの確率は前日の85%から95%に上昇。1.0%の金利利上げの確率は5%になっている。
最新価格
●ビットコイン:19,373ドル、+1.2%
●イーサリアム:1,294ドル、-0.4%
●Coindesk Market Index(CMI):944.23、+0.4%
●S&P500:3,669.91、+2.6%
●ゴールド:1,673ドル、+0.2%
●米国10年債利回り:3.95%、+0.05
テクニカル分析
ビットコインとイーサリアムはCPI発表後に急落したが、すぐに反発した。わずか2時間の間に下落と反転という極端な動きとなったことで、ほとんどの市場参加者は困惑しているようだ。
株式市場も同様の動きを見せ、ダウ平均、ナスダック、S&P500は下落した後、反転した。3つの指数はすべてプラスで1日を終えた。
今後数日間は、取引所へのビットコインの流入をチェックするとよいだろう。先週、1000BTC以上を保有するウォレット、いわゆるクジラ(大口保有者)は、取引所からビットコインを移動させた。これはビットコインをコールドストレージに移動させたと考えられ、一般的には強気シグナルとなる。
ビットコイン価格は当記事執筆時点、1万9150ドル付近となっており、ここ数週間のレンジに収まっている。暗号資産市場は慌ただしいスタートになったが、最終的には価格はほぼもとに戻った。
アルトコイン
●イーサリアムはMerge後、初めてデフレに:発行量よりも多くのイーサリアムが取引検証のために焼却され、先週、総供給量は0.13%、約4000ETH減少した。
●トロンの創設者ジャスティン・サン氏が権限強化を呼びかけ、Huobiトークンが75%上昇:Huobiトークンは13日朝、4カ月ぶりの高値となる7.60ドルまで上昇した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Prices Plunge Following Hot Inflation Report, Then Reverse Course Completely