10月はハッキング被害額が過去最悪に、CoinbaseがGoogleと提携【10/8~10/14のトップニュース】

ハッカーは昨年、32億ドル以上を手にした。だが今年は人気のクロスチェーンサービスWormholeの3億2500万ドルに始まり、Axie InfinityのRoninブリッジの6億2500万ドル、Nomadブリッジの2億ドルのハッキングなどが続いた──今週のニュースをダイジェストで振り返ります。

フォビ、投資会社が買収

アジアの大手暗号資産取引所の1つ、フォビ・グローバル(Huobi Global)は10月7日遅く、香港の投資会社About Capital ManagementのM&Aファンドによる買収に合意したと発表した。

寄付はウクライナ宛てだけではない──400万ドルの暗号資産がロシア軍を支援するグループに:報道

ウクライナへの寄付は、暗号資産の新たな可能性を示したが、一方で、これまでに少なくとも400万ドル(約5億8000万円)相当の暗号資産がロシア軍を支援するグループに送られたと、10月7日に公開されたWiredの記事は記している。

また記事によると、数百万ドルが公式に制裁対象となったこともある民兵組織に送られ続けているという。

バイナンス、FTXとは異なる買収戦略

暗号資産取引所FTXのサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)CEOは、破綻した暗号資産企業の資産を買収しようとしており、少なくとも10億ドルを用意していると語っている。

一方、バイナンス(Binance)のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)CEOの買収戦略は、メディア、DeFi(分散型金融)、NFTなどの分野を拡大することに重点を置いている。

DEX大手のdYdX、財団トップにConsenSys元幹部──暗号資産取引業界で激化するCEXとの競争

世界の暗号資産取引サービス事業において、より分散的な組織運営を行う分散型取引所(DEX)が、コインベースやクラーケンなどの中央集権型取引所(CEX)との競争を強める中、DEX大手のdYdXの運営を管理する財団CEOに、米ConsenSys元幹部で、アジア事業の拡大に注力したチャールズ・ダハウシー(Charles d’Haussy)氏が就任した。

大物投資家、ビットコイン強気姿勢を弱める

「ビットコインにまだ少し投資している」とポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones)氏は10月10日朝、CNBCで述べた。

約2年前の同氏のビットコインに対する強気姿勢を考えると、これは熱烈な支持とはいえない。2020年半ば、ジョーンズ氏は数十億ドルのポートフォリオの1~2%をビットコインに割り当てたと語った。

ブラジル、暗号資産を購入した企業数が過去最高に

ブラジルでは2022年8月、単月で初めて1万2000社以上の企業が暗号資産を購入したと同国の連邦国税庁(Receita Federal)が発表した。

1万2053社が8月に暗号資産の購入を報告、1万1797社だった6月の記録を上回ったという。また8月の数字は、企業が暗号資産の売買について税務当局に報告を行うようになった2019年8月の5倍にのぼる。

Google Cloud、Coinbaseと提携──クラウドでの暗号資産決済を提供

Google Cloudは10月11日、米暗号資産取引大手Coinbase(Coinbase)との提携を発表。来年早々、クラウドサービスでの暗号資産決済を開始すると述べた。

暗号資産決済はまず、Web3業界の一部の顧客に提供される。Googleはコインベースのカストディサービス「Coinbase Prime」を利用するという。

GoogleとCoinbaseの提携は暗号資産業界の「バリデーション」:米投資銀行

Googleとの提携で米暗号資産取引大手のCoinbase(コインベース)は、伝統的企業との連携を模索している他の暗号資産企業にとっての先例となったと、米投資銀行Oppenheimer(オッペンハイマー)のシニアアナリスト、オーウェン・ラウ(Owen Lau)氏は10月11日、CoinDesk TVで語った。

暗号資産ファンド、小規模な流出超だがセンチメントは依然強気

暗号資産ファンドはコインシェアーズ(CoinShares)によると、先週は500万ドル(約7億3000万円)の流出超となった。ショート、つまり価格下落から利益を得るよう設計されたファンドからの大幅な流出が要因となった。

米金融大手BNYメロン、暗号資産カストディサービス開始

世界最大級の資産運用残高と資産管理残高を誇り、全米最古の銀行の流れを汲む米金融大手バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)は10月11日、カストディ(保管・管理)サービスに暗号資産(仮想通貨)を追加したと発表した。

「ハイリスク」取引、東欧で急増:チェイナリシス

ロシアのウクライナ侵攻以来、東欧では「ハイリスク」あるいは「違法」と判断される暗号資産取引が急増している。ブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)が10月12日に発表したレポートで述べた。

SEC、人気NFTコレクションを手がけるYuga Labsを調査:報道

SEC(米証券取引委員会)は、人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」などを手がけるYuga Labs(ユガラボ)を調査しているとブルームバーグが伝えた。同社のNFT販売が連邦法に違反している疑いがあるという。

ドバイでビットコインETP上場を目指す──スイスの21Shares

暗号資産ETP(上場取引型金融商品)を手がけるスイスの21Shares(21シェアーズ)は、中東でビットコインETPを発売し、Nasdaq Dubai(ナスダック・ドバイ)への上場を目指している。

21Sharesはグローバルな拡大を続けており、新たに設立された親会社は最近、評価額20億ドル(約2900億円)で2500万ドル(約37億円)を調達した。現在、7カ国12の取引所に50近い投資商品を上場している。

暗号資産エコシステム、分散化とは逆方向に:モルガン・スタンレー

暗号資産エコシステムは分散化とは逆方向に向かいつつあるとモルガン・スタンレーは10月12日に発表したレポートで述べた。

基盤となるブロックチェーン自体は分散化されているだろうが、暗号資産規制が進むにつれて、ブロックチェーンの大部分を単一あるいは少数のクラウドサービスで実行する必要性は潜在的リスクになるという。

10月、ハッキング被害額が過去最悪に──2週間を残して7億1800万ドル以上の被害

今月(2022年10月)は暗号資産関連の犯罪に関して過去最悪の月となっている。月末までまだ2週間あるにもかかわらず、すでに7億1800万ドル(1054億円)以上の被害が発生した。

この金額は、複数のDeFi(分散型金融)プロジェクトに対する、11回の攻撃によって盗まれたものとブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)は10月13日にツイッターに投稿した。

イーサリアム、総供給量が減少──Merge後のマイルストーンを達成:Coinbase

イーサリアム(ETH)はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)移行、いわゆる「Merge(マージ)」の後、初めてデフレになり、「マージ後のマイルストーン」を達成したと米暗号資産取引大手Coinbase(コインベース)は10月13日、レポートに記した。

つまり、発行量よりも多くのイーサリアムが取引検証のために焼却され、先週、総供給量は0.13%、約4000ETH減少したという。

JPモルガンCEOが再び暗号資産を批判、だがブロックチェーンは「リアル」と発言

米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは10月13日、国際金融協会(Institute of International Finance:IIF)主催のイベントで、ブロックチェーン技術を賞賛しながらも、暗号資産(仮想通貨)を「分散型ポンジ・スキーム(ねずみ講)」と呼んだ。

しかし、暗号資産には大量の違法行為が存在とした一方で、ブロックチェーンは少なくともある種の「リアル」な側面を持っていると述べ、JPモルガンのグローバル決済プラットフォーム「Onyx」に触れた。

デジタル人民元の取引高、1000億人民元(約2兆500億円)──取引高の伸びは低下:報道

中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)、いわゆる「デジタル人民元」は、2019年12月のスタートから2022年8月までに取引高1000億人民元(約139億ドル、約2兆500億円)に達したと、香港の英字紙South China Morning Post(SCMP)は10月13日、中国人民銀行(PBoC)のデータを引用して伝えた。

利上げにびくともせず?──NFT、GameFiの資金調達【Krakenリサーチ】

相場全体の下落基調に沿って、NFTマーケットも9月は低調に終わった。1日あたりの平均利用者数と、平均取引件数はそれぞれ前月比5.7%、3.1%の減少となり、1日あたりの取引量に至っては26.3%の大幅減少となった。

一方で、9月もNFTに関する興味深いヘッドラインが多く見られた。

ビットコインに対して、マイナーはブル(強気)だった?【Krakenリサーチ】

ビットコインの2022年9月のパフォーマンスとしては、3%の下落にとどまった。20,154ドルに始まり、9月12日には高値の22,339ドルをつけ、その後下落し19,477ドルで月を終えた。なお過去の実績では、ビットコインの9月の騰落率の中央値は-7%であり、9月は下落しやすい傾向にある。

相場をベア(弱気)に見ていれば、特別な事情がない限り売却して換金するのがセオリーであり、今回下落局面にありながらBTCを保持していたマイナーたちはもしかしたら相場に対してブル(強気)だったのかもしれない。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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