暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)は11月にクラウドマイニングサービスの提供を開始する。
マイナーは厳しい1年を過ごしている。ビットコイン(BTC)は2021年11月の史上最高値6万8000ドル超から大きく下落し、ここ数カ月は2万ドル前後で推移。他の暗号資産も同様に、あるいはさらに大きく下落している。アメリカ最大のマイニング関連企業の1つは、9月下旬に連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。
しかし、この危機にチャンスを見出している企業もある。CleanSparkはマイニング機器の購入やデータセンターの買収に動き、DeFi(分散型金融)プラットフォームのMaple Financeは3億ドルの融資プールを開始した。
Binance Poolは先週、ビットコインマイナー向けの5億ドルの融資ファンドを発表、クラウドマイニングに参入すると発表した。サービスの正式な立ち上げは11月になると、バイナンスの広報担当者は17日、メールでCoinDeskに語った。
マイニング機器メーカーの創業者も参入
クラウドマイニングは競争が激化している分野だ。大手マイニング機器メーカーBitmainの共同創業者で、社内抗争の末、同社を離れたジハン・ウー(Jihan Wu)氏率いるBitdeerは9月末に2億5000万ドルのファンドを立ち上げた。
Bitmainのもう一人の創業者、ミクリー・ケチュアン・ザン(Micree Ketuan Zhan)氏が支援するBitFuFuもクラウドマイニングを手がけている。
BitdeerとBitFuFuは、クラウド基盤として自社が運営するマイニング施設だけでなく、他社の施設も利用している。Binance Poolは、第三者からハッシュレート(マイニングに使用する演算能力)を購入すると述べており、自社でインフラを運用することはおそらくないだろうとしている。
「世界トップのマイニングプールの1つとして、Binance Poolはマイニングプールとして運営するだけでなく、特に不透明な市場環境において、健全な業界の構築に貢献する責任を負っていく」とバイナンスの広報担当者は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Midjourney(画像生成AI)によるイメージ(CoinDesk)
|原文:Binance to Launch Cloud Mining Business in November