【US市場】ビットコイン、一時2万1000ドルに迫る

ビットコイン(BTCは26日、カナダ銀行(中央銀行)が予想外の利上げ幅縮小(0.75%ではなく0.50%の利上げ)を発表した後、一時2万1000ドルに迫った。同行は経済減速に対する懸念を指摘。各国の中央銀行は急激な景気後退を引き起こすことなく、インフレを抑制しようとしている。

イーサリアム(ETHは1550ドルを超え、24時間で5%超の上昇。9月中旬以来の水準となっている。

ほとんどの主要アルトコインも上昇、人気ミームコインのドージコイン(DOGE)は12%超、柴犬コイン(SHIB)は4%超の上昇となった。

暗号資産全体のパフォーマンスを測定する広範な市場指標、CoinDesk Market Index(CMI)は、3.09%上昇した。

「ビットコインは現在、2万ドルを問題なく上回っており、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)まで安定するだろう」「リスク指向が健全なら、2万2500ドルに向けて上昇する可能性がある」とOandaのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ(Edward Moya)氏は述べた。

マクロ経済状況

株式市場は、IT業界の苦境が予想され、下落した。ナスダックは約2%、S&P500は0.6%は下落、ダウ平均はほぼ横ばいだった。

メタ・プラットフォームズは、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)に取り組むFacebook Reality Labs(FRL)の第3四半期売上がわずか2億8500万ドルとなった。アナリストの事前予想4億600万ドルを下回り、第2四半期の4億5200万ドルからも減少した。

「マイクロソフトとアルファベットの決算は、悪くないものになりつつあった経済の見通しを損なった」(モヤ氏)

コモディティでは、エネルギー市場の指標となる欧州ブレント原油は0.27%上昇の1バレル94ドル。OPECが減産を発表してから3週間が経過したが、投資家は依然としてエネルギー価格に不安を抱いている。ゴールドは0.7%上昇して1オンス1664ドル。

9月の住宅着工件数は11%近く減少。住宅ローン金利が7%を超え、20年ぶりの高水準となるなか、減少が続いている。

最新価格

●CoinDesk Market Index(CMI):1,018.43、+2.9%
●ビットコイン:20,723ドル、+3.1%
●イーサリアム:1,551ドル、+5.8%

●S&P500:3,830.60、-0.7%
●ゴールド:1,668ドル、+0.9%
●米国10年債利回り:4.01%、-0.1

テクニカル分析

ビットコインは25日に10月5日以来となる2万ドル超えとなり、イーサリアムは9月15日のMerge(マージ)以来初めて1500ドルを超えた。新たに長期的な上昇が始まっているのか、ビットコインもイーサリアムも平均値に戻るのかは、まだわからない。

テクニカル分析では、ビットコインとイーサリアムのRSI(相対力指数は、ともに1時間足チャートで一時90を超えた。これは通常の動きから大きく外れている。現在はどちらも70付近となっている。

アルトコイン

暗号資産市場は15カ月で最大のショート清算:暗号資産取引所FTXだけで約5億ドルの清算が発生した。イーサリアムやドージコインなど複数の暗号資産が24時間で急騰したことが清算につながったようだ。

ゲームDAOのMerit Circle、約1億7000万ドル相当のMCトークンを焼却:Merit Circleは、ゲーマーに「奨学金」を提供している。発展途上国のゲーマーは、play-to-earnゲームを始めるために必要なNFTを奨学金を使って入手する。そして、収益の一部をMerit Circleに送金する。今回、総供給量10億のうち、2億が焼却された。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Midjourney/CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Continues Its Upturn, Rests Comfortably Over $20.7K