分散型ファイル共有プロトコルのファイルコイン(Filecoin/FIL)を手がけるProtocol Labsは10月31日、企業のWeb2からWeb3への移行を支援するアライアンスを発表した。
アライアンスには半導体大手のAMD、ストレージ大手のシーゲート(Seagete)、世界4大会計・コンサルティング企業のアーンスト・アンド・ヤング(EY)が設立パートナーとして参加している。
非営利団体のFilecoin Foundation(ファイルコイン財団)と共同で設立した「Decentralized Storage Alliance」は、企業ユーザーのニーズを満たす分散型ストレージソリューションの開発標準の確立に取り組み、例えば、データセンターが分散型ネットワークに参入できるようにしていく。また、Web2からWeb3への移行を妨げる可能性のある問題を解決するためのワーキンググループを立ち上げる。
「世界のデータおよびストレージ市場が加速するなか、分散型ストレージ技術の普及は遅れている」とEY Blockchainのジェームズ・カンタベリー(James Canterbury)氏はプレスリリースで述べた。
設立パートナーの3社は暗号資産業界との関係が深い。AMDのCPUとGPUは以前から暗号資産マイナーに使われている。シーゲートは昨年、Chia(マイナーの使用していないストレージを使って、ネットワークを検証するブロックチェーン)が売上アップの要因となった。EYは2021年9月にポリゴン(Polygon)との提携を発表、イーサリアムブロックチェーンに自社プロダクトを展開していく。
「我々は分散型ストレージをデータインフラを多様化し、復元力を付加するものと捉えている。そしてこのアライアンスを分散型ストレージの普及と、業界全体の結束を可能にするきわめて重要なピースと考えている」とカンタベリー氏は語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:AMD, Seagate and EY Join Protocol Labs-led Decentralized Storage Alliance