投機とブロックチェーン技術を分けることが重要:バンカメ

投機的な暗号資産(仮想通貨)取引とブロックチェーン技術を分けることが重要とバンク・オブ・アメリカは11月17日、レポートで述べた。アメリカでは、大手銀行とニューヨーク連邦準備銀行がデジタルトークンを銀行と中央銀行の決済に使用するためのテストを開始した。

シティグループ、HSBC、BNYメロン、ウェルズ・ファーゴなどの大手銀行と、決済大手のマスターカード(MA)が参加するとニューヨーク連銀が15日に発表している。

暗号資産取引所FTXとその姉妹企業アラメダ・リサーチ(Alameda Research9の破綻を受けた厳しい状況の中でも、「分散型台帳とブロックチェーン技術を使ったアプリケーションの開発は進み続ける」と同行のアナリストは記している。

ホールセール中央銀行デジタル通貨(CBDC)のメリットは、例えば決済時間の短縮。金融機関はこれまで決済のために保有していた資金を投資にまわし、利回りを得ることができるようになるという。その他にも、コスト削減、信用リスクの低減、透明性の向上などがある。

バンク・オブ・アメリカは、ホールセールCBDCはリテールCBDCよりも先に実用化される可能性があると述べた。その理由として「設計、プライバシー、金融仲介としての銀行システムに関わる複雑さが少ないこと」をあげている。

各国の中央銀行と政府には、民間セクターの活用を通して暗号資産のイノベーションを推進することが期待されているとレポートは述べた。また、そうした取り組みから新たなビジネスが創出されるという。

各国政府は、専門知識を持つ決済企業やコンサルティング会社と契約を結ぶ可能性があるが、大きな収益の機会は「分散型台帳プラットフォーム、クラウドストレージ、サイバーセキュリティ、デジタル資産のカストディ/ウォレットなどを提供するインフラプロバイダー」に生まれる可能性が高い。

誰が大きな利益を手にするかは、どのようなCBDC導入アプローチを取るかによるとレポートは述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:BofA: Don’t Tarnish Blockchain Technology With Speculative Crypto Trading