【US市場】ビットコイン、一時1万5500ドル付近まで下落

暗号資産(仮想通貨)市場は21日下落し、主要暗号資産はFTX破綻の影響の広がりに神経質な反応を示している。

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暗号資産取引大手の米コインベース(Coinbase)とビットコイン保有で知られるマイクロストラテジー(MicroStrategy)の社債はFTX破綻の影響を受けて信頼性が低下し、低迷している。

コインベースの社債(2031年満期)は、FINRA(米金融取引業規制機構)によると、今月15%下落して1ドル50セント、価格と逆方向に動く利回りは13.5%の過去最高となった。

マイクロストラテジーの社債も同様。ビットコイン購入のために2021年に発行された2028年満期の社債は18日、過去最低水準の1ドル72.5セントまで下落、利回りは13.35%まで上昇した。

同社の債券は18日時点、米国10年債利回りに対して約1000ベーシスポイント(10%)のプレミアムとなっている。債券市場では、この水準のプレミアムは信用不安を表すと考えられている。米国10年債の利回りは当記事執筆時点で3.83%。

バリュー投資家で暗号資産投資プラットフォームEaglebrook Advisorsの創業者、マイク・アルフレッド(Mike Alfred)氏は、高い債券利回りは「金利の上昇を反映している」が、また「暗号資産の長期的実行可能性に対する機関投資家の正真正銘の懐疑」でもあると述べた。

コインベースの株価は21日、40.62ドルまで下落し、2021年4月に上場して以来の最低水準となっている。

一部の投資家は、コインベースとマイクロストラテジーの社債は、暗号資産の強気回復に投資する安全な手法と考えている。暗号資産取引企業GSRの共同創業者、リッチ・ローゼンブラム(Rich Rosenblum氏は、債券は安全な手法だが、上昇も「はるかに穏やか」と指摘した。

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ビットコイン(BTC)は一時、2年ぶりの安値に近い1万5500ドル付近まで下落。当記事執筆時点はやや回復して1万5800ドル付近、24時間で約5%下落した。

出典:CoinDesk

「1万5500ドルを割ると、1万3500ドル付近までサポートはあまりなく、その先は心理的に重要な1万ドルとなる」とオアンダのシニア・マーケットアナリスト、エドワード・モヤ(Edward Moya)氏は21日に述べた。

イーサリアム(ETH)は1080ドル付近、24時間で約8%下落した。コインシェアーズが21日に発表したレポートによると、ショート・イーサリアムファンドは過去最大の資金流入(1週間で1400万ドル)を記録した。イーサリアムにまつわるネガティブセンチメントは、この先の上海アップデートに対する不透明感や、ハッキングされたFTXのイーサリアム(約2億8000万ドル相当)が原因になっているという。

最新価格

●CoinDesk Market Index(CMI):797.74、-3.7%
●ビットコイン:15,800ドル、-4.2%
●イーサリアム:1,105ドル、-5.7%

●S&P500:3,949.94、-0.4%
●ゴールド:1,741ドル、-0.7%
●米国10年債利回り:3.82%、±0.0%

アルトコイン

出典:CoinDesk Research

FTXのハッカー、18万イーサリアム(約2億ドル相当)を12のウォレットに移動:FTXのハッキングに関連している暗号資産アカウントが21日、12の暗号資産ウォレットに合計18万イーサリアム(約2億ドル、約280億円)を移動させた。各ウォレットは数分間に1万5000イーサリアムを受け取った。FTXはアメリカで連邦破産法11条(チャプター11)を申請した11月11日に、約6億ドルがハッキングされた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Crypto Markets Nervous as the FTX Collapse Dents Institutional Confidence