サム・バンクマン-フリード氏が率いる100社あまりの企業は11月20日時点、12億ドル(約1700億円)の現金を保有していることが裁判所への提出文書で明らかになった。上位50位までの大口債権者の債権総額31億ドルをはるかに下回っている。
12億ドルのうち、約7億5100万ドルは債務を負う企業が、4億8800万ドルは債務を負わない企業が保有しているという。
また、約5億1400万ドルが使途が定められていない資金、2億6000万ドルがカストディされた資金、4億6500万ドルが使徒が定められた資金(ローン返済など、特定の使途に充てられ、一般的な事業目的には使用できないもの)になっている。
別の提出書類によると、債権者は100万人を超える可能性がある。
アラメダの現金残高は約4億ドル
姉妹企業のアラメダ・リサーチ(Alameda Research)は、さまざまな企業のなかで最大の現金(3億9300万ドル、約557億円)を保有。一方、FTX Japanは1億7100万ドル(約242億円)の現金の保有しているという。
FTXジャパンは、年内に出金を再開する準備を進めていると伝えられた。
さらに別の提出書類では、サム・バンクマン-フリード氏が率いる100社あまりの企業の複雑な構造が明らかになった。ほとんどの企業は同氏が過半数を所有していた。なお書類によると、FTXの親会社はカリブ海に浮かぶ国。アンティグア・バーブーダにある。本社所在地として明記されているバハマではない。
FTXは、新CEOのジョン・レイ3世からも批判されている。同氏は米エネルギー大手、エンロンなどの清算を指揮した人物。記録や管理の不備、上級管理職の経験不足、またバハマの不動産購入に会社の資金を使ったことなどを指摘している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Sam Bankman-Fried’s Crumbling FTX Empire Holds $1.2B Cash Reserves