イーサリアムブロックチェーン開発者は11月24日、次の大きなアップデートとなる「シャンハイ」に含めるために、8つのイーサリアム改善提案(EIP)を検討することに合意した。
シャンハイには、ステーキングされたイーサリアム(ETH)の引き出しの解除、スケーラビリティの問題に対処する提案、EVM(イーサリアム・バーチャル・マシン)の改善に向けた提案などが含まれる見通し。だが、その時期については、まだ合意されていない。
EIPを「(アップデートに)含めるために検討」(CFI:considered for inclusion)するということは、開発者がこれらの提案の開発を進め、開発者ネットワーク(devnet)でテストを実行することを意味する。だが、提案のすべてが最終的にシャンハイに含められる保証はない。
コア開発者による会議以前から、ビーコン・チェーンからの引き出し、つまり「EIP4895」がアップデートに含まれることは決定していた。イーサリアムブロックチェーン、具体的にはビーコン・チェーンにイーサリアムをステーキングしていたユーザーは、引き出しが可能になる。
開発者はシャンハイに向けて、どのEIPに注力すべきかについては合意したものの、その時期については決着がつかなかったようだ。イーサリアム財団は、ステーキングされたイーサリアムの引き出し可能時期について、前回の大規模アップデート「マージ(Merge)」の6〜12カ月後というスケジュールを示していたが、先週初め、表現を変化させた。
今回の会議では、シャンハイのスケジュールが明確になることはなかった。
一部の開発者はシャンハイを2023年3月に行い、イーサリアムの引き出しに関するEIPと、他の複数の小規模なEIPのみを含めること。そしてその後、2023年秋にもう1つの重要なスケーリングアップデート「プロト・ダンクシャーディング」を含めたアップデートを行うことを望んでいる。
一方、2023年秋以降に、前述の2つの主要なアップデート(引き出しとシャーディング)を含めた、大規模で包括的なアップデートを考えている開発者もいる。
現状、プロト・ダンクシャーディング、つまり「EIP4844」はCFIの対象となっている。EIP4844は、以前から計画されている「シャーディング」への移行の第1段階となる。シャーディングは、ネットワークを「シャード」と呼ばれる小さな部分に分割することで、スケーラビリティを高め、取引手数料を削減する手法だ。
その他、EVMをアップデートするための複数のEIP(EIP3540、EIP3670、EIP4200、EIP4570、EIP5450)や、安全性を強化し、ビーコン・チェーンとの相互運用性を高めるEIP2537の検討が進められる。
先月、開発者はテストネット「シャントン(Shandong)」を導入、これらのEIPに関するバグを調査し、解決に取り組んでいる。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Edward He/Unsplash
|原文:Ethereum Developers Agree on What Could Be Included in the Next Upgrade – But Not When