【US市場】ビットコインは1万6800ドル付近、アクシー・インフィニティが17カ月ぶりに上昇

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米SEC（証券取引委員会）のゲーリー・ゲンスラー委員長は、暗号資産企業に対して証券法を執行するための権限を議会に求めていないものの、12月7日、多くの資金と国境を越える権限を持つことは望ましいと述べた。

破綻したFTXと元CEOのサム・バンクマン-フリード氏に対するコメントを控えたゲンスラー委員長は、SECは暗号資産企業に責任を持たせるための基本的な開示要件とガバナンス要件を備えていると米Yahoo! Financeのインタビューで語った。

また、来年、暗号資産に対する規制を強化するかとの質問には直接答えなかったが、新たに何も必要ないことを主張した。「ルールは存在する。法律事務所は、クライアントに遵守するようアドバイスする方法を理解している」。

FTXの破綻は、顧客資金と投資業務の区分なしにグローバルプラットフォームを運営する危険性を示しとし、暗号資産企業は何でもできるわけではない。「公共秩序の規範外では長く続かないだろう」と語った。

リップル（Ripple）社のエックス・アール・ピー（XRP）が証券かどうかをめぐる裁判は、SECの足を引っ張る大きな問題と見られてきたが、ゲンスラー委員長は7日、暗号資産スタートアップのLBRYによるネイティブ暗号資産LBCの販売を証券法違反とした連邦裁判所の判決は、SECにとって「非常に大きな勝利」と述べた。

現状、SECは、証券取引所として登録せずに証券を上場したとして、米暗号資産取引大手コインベース（Coinbase）を直接的には追及していない。だがSECは、最近の別の取り締まりで同社のプラットフォームで取引された未登録の証券と考えられる複数のトークンをリストアップしている。

市場動向

ビットコイン（BTC）は、1万6800ドル付近、24時間で約1％下落した。FTXの崩壊とマクロ経済の不確実性、米FRB（連邦準備制度理事会）が2023年までタカ派路線を維持するのではないかとの懸念が浮上するなど、投資家の間に依然として不安が広がっているにもかかわらず、過去9日の大半は1万7000ドル超を維持していた。

DeFi（分散型金融）プロジェクトのスシスワップ（SushiSwap）は、開発者のガバナンス提案によると、準備金が減少し、長期的な運用可能性が脅かされている。支出を見直した結果、年間の運用に必要な金額は900万ドルから500万ドルに削減できたが、それでも約18カ月分にしかならないという。

ブロックチェーンベースの人気プレー・ツー・アーン（P2E）ゲーム「Axie Infinity（アクシー・インフィニティ）のネイティブ暗号資産アクシー・インフィニティ（AXS）は、今週2桁％の上昇を見せた。しかし、レバレッジ・トレーダーは、17カ月続いた安値からの反転に懐疑的なようだ。

市場分析

ブラックスワン（予測不可能な出来事）や中央集権的組織にまつわるネガティブ出来事の影響がない限り、暗号資産は依然としてマクロ経済動向ときわめて密接に関係しているようだ。

だが注目すべきは、FF金利（政策金利）、米国3カ月債、同2年債の利回りが10年債の利回りを上回っていることだ。

これは「逆イールド」と呼ばれ、一般的には景気後退の前兆とされる。ビットコインにとっても良い兆候ではない。短期金利の上昇と経済成長の鈍化は、暗号資産の需要や価格の低下をもたらす。

他のニュース

●コインベース・グローバル（Coinbase Global）のブライアン・アームストロングCEOは、同社の収益は昨年の半分程度になるだろうとブルームバーグに語った。暗号資産の下落と、FTX破綻をはじめとする複数の暗号資産企業の破綻の長引く影響をその要因にあげている。

●ジェネシス・グローバル・トレーディング（Genesis Global Trading）のデラル・イスリム暫定CEOは、顧客宛て文書に同社融資部門の出金停止の解消は、数日ではなく「数週間」の問題になるだろうと記した。顧客に対して「可能な限り透明性を保つ」ことを約束し、経験豊富なアドバイザーと相談しながら、親会社デジタル・カレンシー・グループ（DCG）と密接に連携して取り組んでいるとしている。

｜翻訳：coindesk JAPAN
｜編集：増田隆幸
｜画像：CoinDesk
｜原文：Crypto Markets Today: Gensler Restates SEC’s Crypto Authority

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