ビットコイン週足チャート
ビットコイン(BTC)の週足は、高値を切り下げる弱気のチャートを形成している。依然として昨年から続く下落のトレンドラインを維持したまま推移。なかなか高値を切り上げる展開になることできず、現在は230万円近辺で取引されている。今年の下落率は51%。
週足は足元で底堅い値動きとなり、小幅ではあるものの3週連続の陽線を記録。今週も上昇して取引されており、4週連続の陽線が期待される。一方、価格は約2カ月間の移動平均線となる8EMA(253.3万円)を下回っており、弱気のプライスアクションとなっている。一目均衡表も雲が弱気を示唆し、週足からかなり乖離していることから弱気トレンドを抜けるにはかなりの時間を要する事が予想される。
ビットコイン日足チャート
ビットコインの日足は足元で底堅く推移。220万円の間近安値から徐々に安値を切り上げている。現在は移動平均線(14EMA)近辺の231万円で取引されている。長期のテクニカルを見ると、53EMAは下落し、一目均衡表の雲も弱気を示唆。日足は雲からかなり乖離しており、弱気トレンドを抜けるにはまだ時間を要するだろう。
オシレーター・インジケーターのMACDはマイナス圏で上昇しており、短期的なモメンタムの回復を示している。ボラティリティ指数のADXも下落しており、弱気トレンドの勢いが落ちていることを示している。一方、値動きを見る限りはまだ価格調整の範囲であると言え、弱気トレンドが継続する可能性は高い。
ビットコインのオンチェーンデータ
ビットコインのハッシュレートは足元で下落している。値動きが軟調であることを受け、マイニング市場もかなり苦しい状況にあることがわかる。ハッシュレートは8月以降で初となる、30日移動平均線と60日移動平均線のデッドクロスが発生している。
ハッシュレートの下落を受け、マイニング難易度も今週は大きく下落し、7%ほど低下している。足元ではマイナーのアドレスからビットコインの流出も確認されており、一部は市場で売られているものと予想される。マイニング市場の困窮は、価格の上値が重くなる要因となるため今後も注視が必要。
まとめ
週足チャートは弱気トレンドが継続しており、上昇トレンドへの変化の兆しはまだ見えていない。日足チャートでは足元で底堅い動きが見られるが、レンジでの推移となっており、方向感が弱い相場になっている。
オンチェーンデータのハッシュレートは足元で下落している。ハッシュレートの下落はビットコイン価格にも悪影響を及ぼす可能性がある。オンチェーンデータからも現在の相場が不安定であることが示唆されている。
真田雅幸:ビットバンク(bitbank)マーケット・アナリスト──カリフォルニア州立大学で経済学を専攻し社会のお金の流れについて興味を持つ。大学在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankで業界に関する調査業務を行いながら同社のメディアで寄稿を行う。2015年冬頃からビットコインへの投資、トレードを徐々に始める。最近は基本的なテクニカルに加え、デリバティブ情報やオンチェーン情報も分析しながらトレードを行う。
|編集・構成:佐藤茂
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