テレグラムのSIM不要サインアップでToncoinが上昇

メッセージングアプリのテレグラム(Telegram)は最近、プライバシーを向上させる新機能を発表。それに伴い、The Open Network(旧Telegram Open Network)ブロックチェーンのネイティブ暗号資産Toncoin(TON)が上昇した。

テレグラムは12月6日、すでに開設済みのオークションプラットフォーム「Fragment」でブロックチェーンベースのIDを購入できると発表。支払いにはTONを使用する。

ユーザーは購入したIDを使ってテレグラムのアカウントを作成でき、従来のようなSIMカード、つまり電話番号を使ったアカウント作成は不要になる。シグナル(Signal)やワッツアップ(WhatsApp)など、他のメッセージングアプリでは、ユーザーは自分の携帯電話番号を入力する必要がある。

10月下旬、テレグラムはThe Open Network上にユーザーネームを取引できるFragmentを開設。現在までに、少なくとも5000万ドル相当のユーザーネームが取引されているという。

匿名性の向上

発表後、TONは1.84ドルから2.4ドルまで30%上昇し、一時は2.8ドルに達した。一方、CoinDeskのデータによると同期間、ビットコイン(BTC)は4.5%上昇にとどまっている。

暗号資産サービスプロバイダー、Matrixportのリサーチ&戦略責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は12月15日、顧客向けのメモの中で 「電話番号を登録しなくてもアカウントを作成することができるテレグラムアプリの最新アップデートが明らかになったことで、Toncoinは過去1週間で39.3%上昇。ユーザーはFragmentに出品されている番号を使ってログインすることで、匿名性を維持することができる」と述べた。

TONはテレグラムのプライバシーに関するアップデートが行われた後に上昇している。(Matrixport Technologies)

SIMカード不要のサインアップ機能は、ユーザーにとってはプライバシーの強化につながる。

「テレグラムでは、あなたの電話番号が見知らぬ誰かに見られることはない。誰があなたの番号を見ることができるか、誰が電話番号を使ってあなたを見つけることができるかをコントロールできる。今日からプライバシーの新時代が始まる。あなたはSIMカードなしでテレグラムのアカウントを作成し、Fragmentで入手した匿名のIDを使ってログインできる」とテレグラムは12月6日の発表で述べた。

今回の新機能では、ID購入が可能になっただけでなく、タイマーでメッセージを自動削除できるようになった。

これらの機能は、テレグラムの創業者兼CEOのパーヴェル・ドゥーロフ(Pavel Durov)氏が11月30日に表明したように、ブロックチェーン技術のより深いインテグレーションを示している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Telegram’s No-SIM Signup Feature Helps Toncoin Rally, Bitcoin Also Higher