米国株の弱気から強気へのトレンド転換のヒントを探している投資家は、ビットコイン(BTC)を注視する必要がある。
ビットコインは、主要な株式指標であるS&P500の底打ちを少なくとも6週間リードする傾向があることが調査会社デルファイ・デジタル(Delphi Digital)による過去データの分析で明らかになった。
ケビン・ケリー(Kevin Kelly)氏率いるデルファイのストラテジストは、12月21日にクライアントに送った2023年のプレビューで「歴史を見ると、平均してビットコインはSPX(S&P500)より48日前にトップ(天井)となり、10日前にボトム(底)となる」と記した。
48日前にトップとなるということは、48日前に上昇に転じる、つまり最低6週間前に底を打つということだ。
「過去5年間、ビットコインのすべての大きな価格反転は、S&P500のそれよりも先行している」
これは一般的に、ビットコインなどの暗号資産が投資家から株式よりもリスクの高い資産として見られていることを示している。ブルッキングス研究所のエスワー・プラサド(Eswar Prasad)氏が昨年指摘したように、ビットコインは投機的な投資対象になっている。
最初に反応するビットコイン
企業のファンダメンタルズやマクロ経済要因が株式に直接影響を与えることに対し、暗号資産市場はまだ世界経済との結びつきが強くない。暗号資産はこれまで、主に米ドルなどの法定通貨の供給拡大ペースや、FRB(連邦準備制度理事会)の政策に影響を与えるインフレ率などの要因にほぼ完全に左右され、ストーリー主導であることが証明されている。
「暗号資産市場は、世界的な流動性の拡大と通貨の下落に対する最も純粋な賭けの1つ。マクロ要因の影響を受けるだけでなく、市場の状況が変化すると最初に反応することが多い」とデルファイのストラテジストは指摘している。
ビットコインは2021年11月11日に約6万9000ドルで史上最高値となった。これはS&P500が2022年1月4日に4818でピークを迎える55日前。S&P500の2018年最初のピークはビットコインの強気相場が2万ドル近くで息切れしてから42日後のことだった。
一方、ビットコインの底打ちは、S&P500が底を打った2020年3月23日と2018年12月24日のそれぞれ11日前と8日前だった。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ビットコインとS&P500の比較(Delphi Digital, TradingView)
|原文:Bitcoin Is Leading Indicator for S&P 500, Past Data Show