北米を冬の嵐が襲い、マイニング事業者はパワーダウン──電力網の維持を支援

猛烈な冬の嵐が北米を襲った週末、全米のマイニング事業者(マイナー)はパワーダウンした。

ブロックチェーン上の演算能力を示すビットコイン(BTC)のマイニングハッシュレートは、12月21日から24日の間に約100エクサハッシュ/秒(EH/s)、約40%低下して、156EH/sになったことがBTC.comのデータに示されている。その後、12月25日には約250EH/sまで戻った。

カーテイルメント(削減)と呼ばれるこの慣行は、マイニング業者が電力網の維持を支援する方法としてアピールされている。マイナーの安定した需要によって、電力会社は収入を得る一方で、冬の嵐など他からの需要が高まったときにはマイナーへの電力供給を減らすことができる。

テキサス州では99%が停止

BBCによると、アメリカとカナダは冬の嵐に見舞われ、米西部のモンタナ州では華氏-50°(摂氏-45°)まで気温が下がり、ニューヨーク州西部は43インチ(約109センチメートル)もの雪で覆われた。CNNは、この嵐で少なくとも37人が死亡したと伝えた。

Mining Pool Statsによると、アメリカ最大のマイニングプールであるFoundry USAは12月23日にハッシュレートの半分以上を失い、主要プールの中で最大の減少となった。Foundryは米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)が所有している。

ライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)や連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請したコア・サイエンティフィック(Core Scientific)といったアメリカの大手マイニング事業者の一部も操業を縮小した。

テキサス州では12月24日午前6時に産業規模のビットコインマイニングの99%が停止したと業界団体テキサスブロックチェーン協議会(Texas Blockchain Council)の創設者兼会長のリー・ブラッチャー(Lee Bratcher)氏はリンクトイン(LinkedIn)の投稿で述べている。

非営利団体サトシ・アクション・ファンド(Satoshi Action Fund)を通じて業界を支持するデニス・ポーター(Dennis Porter)氏は、マイニング事業者の電力削減は業界が送電網を支えている証拠と述べた。

一方、ヨーロッパを拠点とするマイナーのデニス・ルシノビッチ(Denis Rusinovich)氏は、演算能力の大きな低下は「ビットコインの地理的分散が不可欠であることのもう1つの確かな証拠」とツイートしている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:janeb13/Pixabay
|原文:Bitcoin Miners Powered Off as Winter Storm Battered North America