ジェネシス・グローバル(Genesis Global Holdco, LLC)──レンディング部門が引き出しを停止しているジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capital)の親会社は1月19日遅く、ニューヨーク連邦地方裁判所に連邦破産法11条(チャプター11)を申請した。
同社の資産は1億ドル〜5億ドル、負債も1億ドル〜5億ドルと見られ、債権者は最大50人程度と見られている。子会社のジェネシス・グローバル・キャピタル、ジェネシス・アジア・パシフィック(Genesis Asia Pacific Pte. Ltd.)も同様に破産申請を行った。
これらの企業は、ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)と暗号資産取引所FTXの崩壊によって大きな影響を受けたジェネシスの暗号資産レンディング事業に関わっていた。リリースによると、デリバティブとスポット取引、カストディ事業に関わる他の子会社、ジェネシス・グローバル・トレーディング(Genesis Global Trading)は、破産申請に含まれておらず、トレーディング業務を継続している。
11月、暗号資産取引所FTXが破綻して以来、ジェネシスは新たな資本調達や債権者との取引に奔走。同社の機関投資家向けレンディング部門は、顧客の引き出しと新規融資の停止を余儀なくされていた。さらに、親会社のデジタル・カレンシー・グループ(DCG)は、9億ドルの預金を保全を迫られている。ジェネシスは昨年末、投資銀行のモーリス・アンド・カンパニーに選択肢の検討の支援を依頼した。
今月初め、ジェネシスは従業員の30%のレイオフを発表。スリー・アローズへの融資、24億ドルが回収不当となっていた。
破産申請はビットコイン(BTC)に影響を与える可能性がある。ジェネシスと暗号資産運用会社グレイスケール(Grayscale)は、いずれもデジタル・カレンシー・グループ(DCG)傘下の企業。グレイスケールは、運用資産残高100億ドル以上にのぼるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を運営している。昨年末、GBTCは記録的なディスカウント率となっていたが、最近はその幅が縮小している。
ジェネシスの破産申請の影響で、GBTCが保有する60万超のビットコインが何らかの形で清算されるのではないかとの懸念もある。
またDCGは米CoinDeskの親会社でもある。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Genesis Trading, modified by CoinDesk
|原文:Genesis Global Files for Bankruptcy Protection