ツイッターではこのコレクションに対する批判が高まり、クリエーターやコレクターは、今のNFT市場の状況を考慮せずにWeb3戦略を推し進める同社のスタンスについての意見を述べた。──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
欧州議会、暗号資産取引やマイニングなどへの課税を検討へ
欧州議会の議員は、欧州圏の年間予算約1700億ユーロ(約24兆520億円)を賄うため、暗号資産(仮想通貨)への課税を提案した。
1月16日に公開された欧州議会予算委員会の報告書案には、暗号資産投資家のキャピタルゲイン、取引、マイニングに対する課税が含まれている。
アバランチ上のビットコイン(BTC.b)、ライトニングネットワークを超える
ビットコイン(Bitcoin)ブロックチェーンからアバランチ(Avalanche)ブロックチェーンにブリッジされたビットコイン(BTC)は、ビットコインのスケーラビリティソリューション、ライトニングネットワーク(Lightning Network)の保有額を上回った。
Dune Analyticsによると、1月17日、アバランチ上のブリッジBTC(BTC.b)の供給量は過去最高の5700ビットコイン(約1億1860万ドル、約154億円)に達した。一方、ライトニングネットワークは4929ビットコイン。
ブテリン氏「ステルスアドレス」を提案──プライバシー保護を強化
イーサリアムブロックチェーンの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は1月20にブログを更新し、ブロックチェーンユーザーのプライバシー保護を強化するための「ステルスアドレス・システム」を提案した。
プライバシーの保証はエコシステムにとって依然として大きな課題であり、「この状態を改善することは重要な問題」と指摘している。
中央アフリカ、暗号資産の法的枠組みの検討を開始
中央アフリカ共和国は暗号資産(仮想通貨)関連の法律の草案を作成するため、複数の政府省庁の専門家からなる委員会を設置したと同国のフォースタン=アルシャンジュ・トゥアデラ(Faustin-Archange Touadera)大統領が1月20日にツイッターで発表した。
ツイートに添付されたプレスリリースによると、関係する省庁は鉱山・地質省、水域・森林・狩猟・漁業省、農業・農村開発省などだ。この枠組みに基づいて暗号資産(仮想通貨)が国内で運用されるようになるとリリースは述べている。
バイナンス、新興市場でシェア拡大:レポート
インフレに見舞われた国々は、常に通貨の切り下げから資産を守るための代替手段を求めてる。CryptoCompareの2022年のレポートによると、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)は昨年、こうした傾向を最も活用したという。これらの国々の個人投資家はアクセスの簡単さを求めることが主な理由だ。
バイナンスは暗号資産取引所の中で最大シェアを獲得し、16.3%増となった。
「バイナンスの市場シェア拡大は、特に新興市場で暗号資産の普及が導入が進んでいる結果でもある」とレポートは記している。多くの場合、バイナンスは新興市場のユーザーにとって、最も簡単に利用できる選択肢となっているという。
ビットコイン・ショートファンドに資金流入:コインシェアーズ
暗号資産(仮想通貨)ファンドは先週、3700万ドルの純流入となり、その半分以上は「ショート」ファンド、つまり価格下落から利益を得ることを目的としたファンドに流入した。
コインシェアーズ(CoinShares)が1月23日に発表したデータによると、ビットコイン(BTC)のショートファンドは2550万ドルの純流入となり、5100万ドルが流入した昨年7月以来の高水準となった。
アクシー・インフィニティ、アンロックを前に40%上昇
P2E(Play to Earn:遊んで稼ぐ)ゲームのアクシー・インフィニティ(Axie Infinity)の暗号資産アクシー・インフィニティ(AXS)は、数百万ドル相当のアンロックが迫っているにもかかわらず上昇している。
米CoinDeskのデータによると、AXSは過去24時間で40%以上上昇し、4カ月ぶりの高値となる13.94ドルを記録した。
Coinalyzeによると、AXSの永久先物の建玉は、24時間で156%増加し、1億400万ドルに達した。価格上昇に伴う建玉の増加は、強気サイドの資金が流入していることを示す。
南アフリカの自主規制団体、暗号資産広告にリスク明示を義務付け
南アフリカの広告および広報業界による自主規制団体である広告規制委員会(Advertising Regulatory Board:ARB)が1月23日に発表した新しいガイドラインによると、同国の暗号資産(仮想通貨)広告は潜在的な買い手に対し、資金が危険にさらされる可能性があることを警告しなければならなくなった。
ARBは、暗号資産を宣伝するソーシャルメディアのインフルエンサーに対する規制も強化しようとしている。
「デジタルユーロはプログラマブルではない」ECB専務理事
欧州中央銀行(ECB)のファビオ・パネッタ(Fabio Panetta)専務理事は1月23日、デジタルユーロは決してプログラマブル(プログラム可能)にはならないと述べた。使用に制限を設けることは認めないという。
「デジタルユーロは決してプログラマブルな通貨ではない。中央銀行は通貨を発行するのであって、証書を発行するのではない」と欧州議会の経済通貨委員会で述べた。
最近の暗号資産市場の上昇は、平均値への回帰:レポート
最近の暗号資産(仮想通貨)市場の強さは、おそらく平均値への回帰によるものだと投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は1月23日のレポートで述べ、時価総額で最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)が2022年に65%以上下落したことに言及した。平均回帰とは、資産の価格が長期的な平均値や平均的な水準に回帰する傾向があるとする、金融で用いられる理論だ。
DMM Bitcoin、「Nippon Idol Token(NIDT)」のIEO実施を発表
暗号資産取引所のDMM Bitcoinは1月23日、「Nippon Idol Token(NIDT)」のIEOによる新規販売を今春に実施予定と発表した。DMM Bitcoin、株式会社オーバース、株式会社coinbookの3社において2022年5月に締結した合意に基づく。
イーサリアム、再びデフレ資産に──NFT取引高の上昇が要因
イーサリアム(ETH)は市場が反発するなか、再びデフレ資産になっている。
ultrasound.moneyのデータによると、イーサリアムの純発行率、つまり年率換算のインフレ率はマイナス0.07%に低下。これはバーン(焼却)されるイーサリアムが発行されるイーサリアムを上回っていることを意味する。
暗号資産ブローカーGlobalBlockの市場アナリスト、マーカス・ソティリオウ(Marcus Sotiriou)氏は、イーサリアムのバーン量の増加は、暗号資産市場の上昇を背景にしたNFT取引高の急増が要因と考えている。
ポルシェ、NFT発行を停止──価格設定などに批判
ポルシェ(Porsche)は、コミュニティからの否定的なフィードバックを理由に、同社初のNFTコレクションのミント(発行)を停止する。同社が1月24日、ツイッターで発表した。
用意された7500個のNFTのうち、当記事執筆時点で実際にミントされたNFTはわずか1818個。オープンシー(OpenSea)などのセカンダリーマーケットプレイス(二次市場)では、ミント価格よりも低い価格で取引されている。つまり、オリジナルを購入するよりも、転売されたNFTを購入した方が安い状況になっている。
ナイキ、デジタルスニーカーのデザインコンテスト
ナイキのNFTプラットフォーム「.SWOOSH」は1月25日、自身のスニーカーをデザインするユーザーを募集していると発表した。
.SWOOSHコミュニティのメンバーは「#YourForce1」と名づけられたコンテストへの参加を呼びかけられており、参加ユーザーはスニーカーのデザインをインスタグラムに投稿する。投稿されたデザインから4人が選ばれ、賞金5000ドル(約65万円)と、ナイキのデザイナーと一緒に独自のデジタルスニーカーを作成するチャンスが与えられる。
米コインベース、取引高がわずかに増加──ライバルは減少が続く: JPMorgan
米暗号資産(仮想通貨)取引大手コインベース(Coinbase)の取引高は、JPモルガン・チェースがまとめたデータを見ると、他の取引所が引き続き減少している一方で、2023年1月現時点まででは回復傾向にある。FTX崩壊後、信頼性の高い取引所というコインベースの評判が成果を上げているようだ。
コインベースの1日あたりの平均取引高(ADV)は、1月現時点までで16億ドル、わずかだが前四半期から0.3%増加していることは注目に値する。一方、他の取引所の取引高は減少。例えば、クラーケン(Kraken)は13%減少、ジェミニ(Gemini)は46%減少している。
バイナンスUSDの時価総額、1カ月で20億ドル減少
暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のステーブルコイン「バイナンスUSD(BUSD)」の時価総額の減少が続いている。
CoinGeckoによると、バイナンスUSDの時価総額は1月25日、154億ドル(約2兆円)まで低下し、1週間で10億ドル、1カ月で20億ドルの減少となった。
ウォーレン上院議員、米証取委の暗号資産規制を称賛
アメリカ民主党のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員(マサチューセッツ州選出)は、同国の証券取引委員会(SEC)とゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長による暗号資産(仮想通貨)業界の取り締まりを称賛し、議員に対し、これを継続するために必要なリソースと権限をSECに与えるよう呼びかけた。
ウォーレン議員は1月25日に反独占姿勢で知られる団体「アメリカン・エコノミック・リバティーズ・プロジェクト」とのインタビューで、2021年からSECを率いるゲンスラー氏はドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領時代の規制当局が「爆発を許した」後、「精霊を瓶に戻し、暗号資産エコシステムに規制を遵守させる」必要があったが良いスタートを切ったと述べた。
「SBI Web3ウォレット」がサービス開始 日本円だけでオンチェーンNFTの売買が可能に
SBI VCトレード株式会社とSBINFT株式会社は1月25日、「SBI Web3ウォレット」のサービス開始を発表した。このサービスにより、「SBINFT Market」では日本円だけでもオンチェーンNFT売買ができるようになるという。
ビットバンク、ザ・サンドボックス(SAND)の取扱いを開始
暗号資産取引所のビットバンクは、1月25日からザ・サンドボックス(SAND)の取扱いを開始したと発表した。
SANDはEthereumブロックチェーン技術を基盤としたユーザー主導のゲームプラットフォームで、ザ・サンドボックス上のアイテム購入、ステーキング、ゲーム運営の方針を決定するためのガバナンス投票に使用できる。
DMM Bitcoinがポリゴン(MATIC)の取扱いを開始
暗号資産取引所のDMM Bitcoinは1月25日、現物取引及びレバレッジ取引においてポリゴン(MATIC)の取扱いを新たに開始した。
ハモンド元財務相、イギリスが暗号資産政策で遅れを取っていると指摘:報道
イギリスの元財務大臣で、暗号資産カストディアンのコッパー(Copper)の新会長に指名されたフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)氏は、イギリスが暗号資産(仮想通貨)のハブとしての地位を確立する上で、近隣諸国に遅れを取ってしまっていると述べた。
ハモンド氏はフィナンシャルタイムズ(Financial Times)とのインタビューで、イギリスはデジタル資産のより効果的な規制を確立する努力を加速する必要があると述べた。
バイナンス、APIユーザーに 不正取引防止機能を提供
暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)は、同社のAPIユーザーがプラットフォーム上でセルフトレードを防止するための新機能を導入した。
1月26日から、バイナンスのAPIユーザーに提供されている。ウェブサイトやアプリ経由のユーザーは影響を受けない。
ポルシェNFT、フロア価格が上昇──発行停止による供給減が後押し
ポルシェ(Porsche)のWeb3戦略に対して、ツイッターで批判が高まった後、流通市場(二次市場)で同社NFTコレクションのフロア価格が上昇している。
現状、フロア価格はミント(発行)価格の2倍以上になっている。1月23日に発行がスタート直後、フロア価格は発行価格を下回っていたが、状況は変化している。
2022年を8%プラスで乗り切ったクオンツ取引会社
暗号資産クオンツ取引会社Pythagoras Investment Management LLCは、2022年の混乱期をプラスで乗り切った。同社ファンドは、FTX崩壊などにさらされながらも、年8%の上昇を記録した。とはいえ、市場の混乱によって一部投資家が様子見となったため、運用資産残高は4000万ドル以下に半減している。
Pythagoras(ピタゴラス)の創業者兼CEOミッチェル・ドン(Mitchell Dong)氏は、同社の市場をリードした戦略、FTX崩壊後にリスクミティゲーション戦略を変化させたこと、暗号資産の将来にはまだ希望があると考える理由について語った。
ビットコインの上昇、2019年の強気相場復活と酷似
ビットコイン(BTC)は、価格が約250%急上昇した2019年半ばの強気相場の復活と最近の上昇局面がよく似ており、歴史が指針となるならば、今後大きく上昇する可能性がある。
米CoinDeskのデータによると、時価総額で第1位の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは今月、約40%急騰して2万3000ドル(約298万円)に達した。この上昇は、価格を68%も引き下げた2022年の急落に続き、弱気相場の中で1万8000ドル(約234万円)前後で長く低迷した後、暗号資産(仮想通貨)を含むリスク資産を動揺させたアメリカ連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが終わりに近づいている時に起こった。
ポリゴン、12%上昇──アクティブユーザーも増加
イーサリアムブロックチェーンのレイヤー2スケーリングソリューション、ポリゴン(Polygon)のネイティブ暗号資産ポリゴン(MATIC)が24時間で12%上昇、1.11ドル付近となっている。年初から強いモメンタムが継続しており、12月31日から50%近く上昇した。
Token Terminalのデータによると、デイリーアクティブユーザー(DAU)も約34万5000と急増、バイナンスのBNBチェーンに次ぎ、イーサリアムとソラナを抜いて2位となっている。
ビットコイン、2013年以来最高の1月に──アメリカの機関投資家が牽引
ビットコイン(BTC)は2013年以来、最も好調なスタートを切った。時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格は、米ドル安を背景に今月40%上昇した。この上昇の原動力は主にアメリカ国内の買い手であると1月27日、オブザーバーは述べている。
分散型デリバティブ取引所のゲインズ・ネットワーク、1カ月で15億ドル超の取引高を記録
デリバティブの分散型取引所(DEX)ゲインズ・ネットワーク(Gains Network)は、アービトラム(Arbitrum)ブロックチェーンへの展開後、約1カ月で15億ドル(約1950億円)を超える取引高を記録した。
ゲインズ・ネットワークは、当初公開されたポリゴン(Polygon)ネットワーク上でも取引高の上昇に貢献した。
フォビジャパン、 パレットトークン(PLT)の取扱い開始
暗号資産取引所のフォビジャパンは1月27日、パレットトークン (Palette Token: PLT)の入出金と取引所での取扱いを1月31日より開始すると発表した。
PLTはエンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォーム「パレット(Palette)」で利用される暗号資産。日本国内で初めてIEOによる資金調達を行ったことでも知られている。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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