Web3国内ニュース【2023年1月】

「暗号資産の冬」といわれるなかでも、Web3のめぐる動きは活発。日本での主な動きを毎月、振り返ります。

bitFlyer Blockchain「web3リサーチ2023」公開

bitFlyer Blockchainは1月1日、Web3の概念やサービス事例を網羅的にまとめた「web3リサーチ2023」を公開したと発表した。全11章255ページにおよぶレポートでは、Web3、ウォレット、NFT、GameFiとX to earn、DeFiといったWeb3の主要テーマが解説されている。

渡辺創太氏のアスター、Web3事業開発・コンサルティングを提供開始──新会社Startale Labs設立

渡辺創太氏が率いるパブリックブロックチェーンの「アスターネットワーク(Astar Network)」が、Dapps(分散型アプリ)やインフラの開発、大企業へのWeb3事業コンサルティングの提供を開始する。そのための新会社「Startale Labs」を設立したと1月5日、発表した。

CEOには渡辺創太氏が就任、シンガポールに拠点を置くが、1月中には日本に子会社「Startale Labs Japan」を設立する予定。

オールインワンのWeb3クラウドインフラ「Ginco Web3 Cloud」提供開始

Gincoは1月6日、企業が迅速かつシンプルにWeb3サービスを開発できるオールインワンのクラウドインフラサービス「Ginco Web3 Cloud」の提供を開始したと発表した。

Web3サービスでは、ウォレット、ノード、エクスプローラーといったブロックチェーン特有のシステムを構築し、サービスに組み込む必要がある。Ginco Web3 Cloudはこれらをオールインワンで提供し、Web3サービス開発に必要な機能を迅速かつシンプルに導入できるようにし、より魅力的なWeb3サービスを実現可能とする。

経済産業省、Web3クリエイターエコノミーの実証イベント第2弾を実施

経済産業省は1月12日、昨年7月に発表した「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」におけるイベント第2弾として、「メタバースファッションコンテスト」を実施すると発表した。

ゼロから全てのコンテンツを制作するのではなく、「第三者が権利を有する既存のアバターやVRオブジェクトを組み合わせた場合の権利関係を整理」することが狙い。参加クリエイターからのフィードバックを収集し、結果を事業終了後に公表する予定だ。

自治体総合フェア2023に「自治体Web3.0コーナー」新設

一般社団法人日本経営協会は1月12日、自治体・行政向けソリューションの総合展示会「自治体総合フェア2023」において「自治体Web3.0コーナー」を新設すると発表した。

「自治体総合フェア2023」の開催期間は5月17日(水)~19(金)、会場は東京ビッグサイト。

電通グループ、NFT実証実験「絵師コレクション」を開始

電通グループのR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ」は1月23日、Web3時代に向けたエンタメコンテンツ領域における新しいファンエコノミーを模索する取り組みの第一弾として、あるテーマをもとに完全新作イラストを描きおろす共創コミュニティ「絵師コレクション」を開始すると発表した。

今回の「絵師コレクション」では、株式会社タツノコプロの創立60周年を記念し、タツノコプロが誇る人気キャラクター「ドロンジョ」を用いて、新たなファンづくり・ロイヤルティ形成を目指す。

職人が入りたくなるWeb3.0の世界「GOヘイ!」のプロジェクトを開始

飛島建設、ネクストフィールド、UPBONDの3社は1月24日、建設業界における先進的なWeb3ソリューション導入プロジェクト「GO ヘイ!」を開始したと発表した。

建設業界では急速にDX推進が求められるなか、元請け企業を中心に建設現場のICT化が進み始めている。だが、建設現場で作業に従事している技能労働者自身にDXが浸透しているとは言えない状況もある。

こうした課題にして「GOヘイ!」はWeb3技術を用いて、技能労働者の負担を軽減させることを目指している。例えば、連絡・報告・入退場・作業日報・KYの記入で、ポイント(トークン)を入手でき、貯まったポイント(トークン)は、提携するECサービス上の商品や提携ポイントと交換できる。

「SBI Web3ウォレット」サービス開始

SBI VCトレードとSBINFTは1月25日、「SBI Web3ウォレット」のサービス開始を発表した。このサービスによって「SBINFT Market」では日本円だけでオンチェーンNFT売買が可能になるという。

「SBI Web3ウォレット」は、インフラにGincoが提要するオールインワンのクラウドインフラ「Ginco Web3 Cloud」を採用。即時円転機能など、日本円のみでNFTを取引しているような使いやすさと、高い安定性・安全性を実現している。

リリースによると、パブリックチェーン上でのNFT事業において、直接的に暗号資産を保有していなくてもNFTを売買できるサービスは日本初という。

Oasys、bitbankに国内初の上場

ゲーム特化型ブロックチェーンOasysは1月31日、ネイティブ暗号資産オアシス(OAS)の暗号資産取引所bitbankへの上場が決定したと発表した。

Oasysは、ブロックチェーンゲームの開発に特化した日本発のゲーム関連の暗号資産プロジェクト。昨年12月には5つの海外暗号資産取引所がオアシス(OAS)を上場。国内の暗号資産取引所への上場は初めて。

DMM.com、Web3本格参入に向け「DM2C Studio」設立

DMM.comは1月23日、Web3事業に関する新会社「DM2C Studio(ディーエムツーシースタジオ)」を設立すると発表した。これまで培ってきたWebサービスの開発運営、ゲーム、アニメ、マンガなどのエンターテインメント分野の知見を活かし、独自トークンを軸としたWeb3プラットフォームの構築を目指す。

第1弾としてGameFiの開発に着手、リリースは2023年夏頃の予定。

世界初「日本酒トークン」発行に向けた共同検討を開始:三菱UFJ信託とSBIトレーサビリティ

三菱UFJ信託銀行とSBIトレーサビリティ株式会社は1月31日、三菱UFJ信託銀行が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」において、個々の商品などとの明確な紐づけが可能で、「本物」であること明示できる「トレーサブルNFT」の基盤づくりと、日本酒業界の課題解決を目的とした「日本酒トークン」の発行を目指す「日本酒トークン・ワーキンググループ(WG)」を設置し、検討を開始すると発表した。

WGは2023年内に「日本酒トークン」の個別案件の実現を目標とするとともに、「トレーサブルNFT」の日本酒以外への活用も目指す。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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