価格:ビットコイン(BTC)は2万ドル以下を試すかもしれないが、まだ強気な理由がある。
インサイト:SEC(米証券取引委員会)のクラーケンのステーキングサービスに対する措置は、ステーキング全体に対する攻撃ではない。
価格
●CoinDesk Market Index(CMI):1,031、-0.8%
●ビットコイン:21,740ドル、-0.5%
●イーサリアム:1,512ドル、-1.7%
●S&P500:4,090.46、+0.2%
●ゴールド:1,872、+0.5%
ビットコインはサポートを探る動き
アジアが月曜日を迎えると、ビットコインは2万1750ドルに下落した(日本時間13日13時頃には2万1800ドル付近)、イーサリアム(ETH)も1.8%下落して、1514ドル付近。
BitBull Capitalのジョー・ディパスクァーレ(Joe DiPasquale)氏は、ビットコインは今、2万3000ドルを回復するか、2万ドルまで「むしろ早く」下落するかを決める状況にあると述べている。
「市場はマクロ経済動向にも依存しており、12月の消費者物価が事前の予想よりも高かったことを考えると、次のFOMC(米連邦公開市場委員会)でのより高い利上げを考え始めるかもしれない」(ディパスクァーレ氏)
サポートを探すなかで、ビットコインは規制の動きにも直面している。先週、クラーケンはステーキングプログラムについてSECから3000万ドルの罰金を科された。ウォール・ストリート・ジャーナルは、SECの次のターゲットはステーブルコインのバイナンスUSDを発行しているパクソス(Paxos)だと報じている。
「規制は、特にSECがクラーケンに3000万ドルの罰金を課したことで、暗号資産業界にとってさらに懸念事項となった。とはいえ、本格的な強気市場の間の厳しい展開ではなく、低調な市場において規制の明確化が進む方が良いと考えている」(ディパスクァーレ氏)
このような状況にもかかわらず、同氏はビットコインがサポートレベルを割るとしても、強気スタンスを維持すると述べた。
「価格が2万ドルを割れば、さらに買い集めることを考えている」
インサイト
SECはDeFiを止めることはできない
クラーケンとSECは、ステーキングサービスについて和解した。
クラーケンは和解金3000万ドルを支払い、アメリカでのステーキングサービスを停止した。だが見逃してはいけないことは、アメリカでステーキングが続くことだ。ステーキングとは、ブロックチェーンの運用を支援するために、一定期間、暗号資産をロック(預け入れ)することを指す。一方、リキッドステーキングは、ロックした暗号資産を表すデリバティブトークンをユーザーに発行し、DeFi(分散型金融)サービスにアクセスできるようにすることだ。
クラーケンのステーキングサービスは独特で、それが理由で同取引所のサービスは停止に追い込まれた。SECが、同様にステーキングサービスを提供するコインベース(Coinbase)を訴えたり、分散型リキッドステーキング・プロトコルをターゲットにすることはなかった。
SECの声明の核心は、クラーケンの透明性の欠如にある。確かにオンチェーンデータによると、クラーケンは最大のバリデーターの1つで、大きなステーキングプールを運営している。だがSECは資金の流れを懸念しているようだ。クラーケンに預け入れられたイーサリアムは本当にステーキングに使われているのだろうか? それとも、貸し出されているのだろうか?
LidoやRocket Poolのようなリキッドステーキングプロトコルには、そうした問題はないだろう。データサイトやモニタリングツールを使って、ユーザーのウォレットからプールに移動したイーサリアムを追跡できる。
コインベースのブライアン・アームストロングCEOのツイートによって、SECがステーキングを注視していることを市場が知った数時間で、LidoのLDOのようなリキッドステーキングトークンは上昇し、クラーケンの件が伝わるとさらに上昇した。
上昇を合理的に分析すれば、SECのステーキングに対する「注意信号」が導き出されるだろう。投資戦略としてのステーキングは許可されないが、技術的サービスとしてのステーキングは許可される。
注目すべきことが一点ある。LidoやRocket PoolのようなリキッドステーキングプロトコルのTVL(預かり金額)は上昇していないことだ。
今年に入ってから、LidoのTVLはほぼ横ばい。年初の490万イーサリアムから現在は519万イーサリアム程度。Rocket Poolは47万2000から60万8000となっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:First Mover Asia: Bitcoin Might Test $20K as It Looks for Support