暗号資産(仮想通貨)業界全体で中央集権的なプレーヤーのいくつかが崩壊し、テクニカルな面でも弱気市場に入ったにもかかわらず、アバランチ(Avalanche)・ブロックチェーンでの取引は2022年に前年比で1500%も増加した。
アバランチの第4四半期決算報告書では、データ分析会社のナンセン(Nansen)は、NFTの取引量と全体の取引数の両方が顕著に増加し、このネットワークの強さが示されたとしている。
「2021年11月21日の時点で年間2700万件近くの取引があったが、2022年11月21日では年間4億5000万件を超え、1年で1507%という驚異的な増加を記録した」とナンセンは述べている。
データサイトのDefiLlamaによると、アバランチベースの分散型金融アプリケーションでロックされたトークンの総額がピークである2021年の150億ドルから2022年11月には9億ドルをわずかに上回る程度に減少したにもかかわらず、このような取引活動が行われていた。
ナンセンのリサーチアナリストであるメガ・セプティアンダラ(Mega Septiandara)氏は「2022年第4四半期に目覚ましい利益を上げたため、アバランチのユーザーは『暗号通貨の冬って何?』と思っているかもしれない」と述べた。
「好調な取引数とNFT取引量にユーザーエクスペリエンスを向上させるための新機能や製品がうまく組み合わされたことで、FTXの崩壊によって引き起こされた大混乱からWeb3スペース全体が立ち直ろうとする中、アバランチは2023年も成長を続ける態勢を整えている」とセプティアンダラ氏は付け加えた。
アバランチのC-Chainを見てみると、第4四半期の1日あたりの取引は不安定で、1日あたり約10万から23万の取引があった。
その成長の一部は、DeFiキングダム(DeFi Kingdoms)のDFKサブネットなどとともにアバランチ上に構築されたカスタムブロックチェーンであるアバランチサブネットによるもので、2022年11月13日には累計2億トランザクションに達している。
しかしイーサリアム(Ethereum)と比較すると、アバランチC-Chainのトランザクションは比較的安定していると報告書は指摘している。
C-Chainはコントラクトチェーンの略で、アバランチのデフォルトのスマートコントラクト・ブロックチェーンであり、イーサリアムと互換性のあるあらゆるスマートコントラクトを作成することができる。これは、ネイティブトークンのAVAXで資金を送受信するために使用されるX-Chainを補完するものだ。
他にも、大手NFTマーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)などがこのネットワークに進出し、第4四半期を通して非代替性トークン(NFT)市場が活況を呈した。
全体的な取引数とNFT取引量の大幅な増加に加えて、第4四半期のアバランチの重要な進展には、いくつかの新しいプロジェクト、プロトコル、および機能がエコシステムに加わったことが含まれる。
注目すべきプロジェクトには、アバランチとイーサリアム全体でWeb3をより直感的かつ包括的に表示し、使用できるようにする無料のオールインワンのコマンドセンターであるCore Webや、5月に立ち上げられたNFTマーケットプレイスJoePegsがあり、特にJoePegsはNFTの売上が340万ドルを超え、ユーザー数が1万2000人を超えるアバランチの中でも最大規模に成長したとナンセンは指摘した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nansen
|原文:Avalanche Blockchain Saw 1,500% Transactional Growth in 2022: Nansen