バイナンスUSは「未登録の証券取引所を運営」:SEC弁護士

SECの弁護士、ウィリアム・アプテグローブ(William Uptegrove)氏は3月2日、バイナンスUSはアメリカで未登録の証券取引所を運営しており、ボイジャー・デジタル(Voyager Digital)によるVGXトークンの販売は連邦証券法に違反しているとSECスタッフは考えていると、バイナンスUSによるボイジャーの資産の買収についての審問で述べた。

一方、ニューヨーク州南部地区破産裁判所のマイケル・ワイルズ(Michael Wiles)判事は審問の冒頭で、SECはボイジャー売却に対する異議申し立てについて、詳細をほとんど明らかにしていないと述べた。

「SECスタッフは、現在、スタッフが把握している事実と状況だけに基づくと、VGXトークンの募集と販売には証券取引の性質があると考えている。また、バイナンスUSはアメリカで未登録の証券取引所を運営していると考えている」(アプテグローブ氏)

同氏は、SECスタッフの見解は、必ずしもSECの方針を定める5人の委員の見解を反映しているわけではないと指摘。SECが同氏の発言に関連した行動を取っているかどうかについては言及しなかった。

通常、SECによる取り締まりが開始されるには、5人の委員の過半数の賛成が必要になる。

ゲンスラーSEC委員長の発言を踏襲

「SECスタッフが、SECが証券とみなす資産が上場されていることを特定することなく、バイナンスUSや我々のようなプラットフォームが未登録の取引所を運営しているとの疑いを主張することは遺憾」とバイナンスUSの広報担当者は述べた。

「我々は業界の他の人々とともに、規制当局との建設的な対話と、アメリカでのイノベーションの継続を確実にするために議会が起案・可決した包括的な規制フレームワークのサポートに引き続き取り組んでいく」

アプテグローブ氏の発言は、暗号資産取引プラットフォームの大半は証券取引所として登録されるべきと考えていると述べたゲイリー・ゲンスラーSEC委員長の過去の発言を踏まえたもので、SECはいずれ、その方法で取り締まりをすすめるだろう。

ボイジャーは、連邦破産法11条(チャプター11)での再建計画の一環として、資産をバイナンスUSに売却することを計画している。ボイジャーの債権者のほとんどはは計画を支持していおり、審問は2日で3日目に入っていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Binance.US Is Operating ‘Unregistered Securities Exchange,’ SEC Official Says