ビットコイン(BTC)の週足チャートに、不吉な響きのあるテクニカルパターンが初めて出現した。しかし、それが何を意味するのか、アナリストたちの意見は分かれている。
ビットコインの50週単純移動平均線(SMA)が200週SMAの下を通過し、「デスクロス」と呼ばれる弱気指標が確認された。この指標は短期的な価格の下落が、より持続的な下落トレンドになる可能性を示唆していると言われている。
移動平均線に基づくデスクロスは過去に起こったことを表しているにもかかわらず、多くの人がこれを未来志向の指標とみなしている。
FxProのシニア・マーケットアナリストのアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は電子メールで「週足で形成されたデスクロスは、短期的な見通しを慎重にし、1万8000ドルから1万6300ドルへの回帰の可能性を維持している」と述べている。
暗号資産(仮想通貨)に特化した銀行、シルバーゲート(Silvergate)の危機や先進国全体の金利上昇予測を考慮すると、最近確認されたデスクロスは弱気派にとって適切な時期にやってきたと言えるかもしれない。
シルバーゲートが継続企業として存続する能力を評価していると述べたため、ビットコインは先週5%近く下落した。主要な暗号資産は、2週連続で50週SMA周辺で売りにぶつかった。
「テクニカル的には、50週SMAが引き続き、抵抗線として機能しつづけている」とカプチケヴィッチ氏は述べている。
しかし、一部の観測筋は、デスクロスを信頼できる指標とは見ておらず、過去の移動平均に基づいているため、価格の下落時には当然のことであると考えている。その上、株式市場では逆張りの指標であることが証明されている。
「デスクロスはイベントではない。週足のデスクロスは、50週SMAが200週SMAを下回ったことを意味する。それは定義上、急激な下落の後に発生する遅行性の指標だ」と、ケイン・アイランド・オルタナティブ・インベストメンツ(Cane Island Alternative Investments)の投資マネジャー、ティモシー・ピーターソン(Timothy Peterson)氏は先月、ツイートしている。
ピーターソン氏によると、デスクロスは伝統的な市場においては単独の指標としては信頼性が低いという。
「S&P500を100年近くさかのぼると、このような現象は9回起きている。1938年、1948年、1958年、1963年、1970年、1974年、1978年、2001年、2008年だ。「50日以内の平均利益は22%、平均損失は-9%だった。200日以内では、平均利益は46%、平均損失は-11%だった。これらは素晴らしいリスク/リターンの確率だ」とピーターソン氏は述べている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Does Bitcoin’s Weekly Death Cross Pattern Call for Caution?