シルバーゲートは、2013年から暗号資産企業に銀行サービスを提供。シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク(SEN)と呼ばれる顧客間の決済ツールを提供していたが、3日遅くにSENの停止を発表した──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
バイナンスUSは「未登録の証券取引所を運営」:SEC弁護士
SECの弁護士、ウィリアム・アプテグローブ(William Uptegrove)氏は3月2日、バイナンスUSはアメリカで未登録の証券取引所を運営しており、ボイジャー・デジタル(Voyager Digital)によるVGXトークンの販売は連邦証券法に違反しているとSECスタッフは考えていると、バイナンスUSによるボイジャーの資産の買収についての審問で述べた。
注意は必要だが、ビットコインで弱気になるのはまだ早い:レポート
暗号資産(仮想通貨)取引所とレンディングプラットフォームのMatrixportは、12月中旬から暗号資産に強気だったが、アメリカ経済からのシグナルで慎重にならざるを得なくなっていると述べた。
3月3日に発表された調査レポートでは、まだ全面的に弱気になる時期ではないとしながらも、ビットコイン(BTC)価格が2万2800ドル以下に下落した場合、エクスポージャーを50%削減することを提案している。
NFT取引高、2月は20億ドル──Blurが人気を集め、テラ崩壊以前の高水準に
Web3データプラットフォームDappRadarの最新レポートによると、NFT取引高は2月、20億ドルに達し、2022年5月のテラ(Terra)ブロックチェーン崩壊以前の高水準となった。
取引高急増の多くは、取引手数料ゼロのマーケットプレイスBlurの人気によるものだ。NFTの取引数は1月から約32%減少したが、取引高は約120%増加。その多くは、2月中旬に行われたBlurのネイティブトークンのエアドロップを見込んで行われたインセンティブ付き取引が関連している。
ビットコイン、週足チャートにデスクロスが出現──専門家の意見は分かれる
ビットコインの50週単純移動平均線(SMA)が200週SMAの下を通過し、「デスクロス」と呼ばれる弱気指標が確認された。この指標は短期的な価格の下落が、より持続的な下落トレンドになる可能性を示唆していると言われている。
テザー(USDT)のシェア、15カ月ぶりの高水準に
1360億ドル(約18兆5000億円)規模のステーブルコイン市場がバイナンスUSDの問題で揺れ動くなか、テザー(USDT)のシェアが高まっている。
CoinGeckoのデータによると、USDTのシェアは3月6日時点で54%を超え、強気相場が頂点に達した後の2021年11月下旬以来の高水準となった。
英BCBグループ、米ドル決済機能でシルバーゲートの穴埋め──第2四半期の早い時期にローンチへ
暗号資産(仮想通貨)を銀行システムに結びつける決済サービスプロバイダーのBCBグループは、最近サービスを停止した暗号資産に特化した銀行であるシルバーゲート(Silvergate)が残した穴を埋めるために、米ドル決済機能を追加する計画を加速させていると、CEOのオリバー・フォン・ランズバーグサディ(Oliver von Landsberg-Sadie)氏が米CoinDeskとのインタビューで語った。
ホワイトハウスはシルバーゲートの状況を認識している:報道官
バイデン政権はシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)の状況を監視し、他の暗号資産企業の状況と比較し、大統領が議会に行動を呼びかけていると、米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は3月6日の記者会見で述べた。
シルバーゲートの苦境、ステーブルコインの役割を拡大:レポート
経営難に陥ったシルバーゲート銀行が機関投資家向けの即時決済サービス「シルバーゲート・エクスチェンジ・ネットワーク(SEN)」の閉鎖を決定したことで、暗号資産取引におけるステーブルコインとその発行者の役割が拡大するだろうと市場リサーチ企業のカイコ(Kaiko)は3月6日のレポートで述べた。
シルバーゲートは大手暗号資産企業を顧客に持ち、SENは機関投資家が暗号資産取引所に送金する手段として広く利用されてきた。「SENの終焉によって、ステーブルコインはトレーダーにより一層当たり前の存在になる可能性が高い」とレポートには書かれている。
イーサリアムのコールオプションが魅力的に見える:レポート
暗号資産(仮想通貨)を取引することは今、非常に難しい。暗号資産に特化したシルバーゲート(Silvergate)銀行の問題、主要な取引所の運用上のボトルネック、イーサリアムの「シャンハイ」アップグレードが目前に迫っているという楽観論など、市場は対立する勢力に挟まれているからだ。
暗号資産金融サービスプロバイダーのMatrixportによると、この苦境を乗り切る最良の方法は、相対価値戦略(1つまたは複数の証券を別の証券と関連付けて取引する戦略)を採用することだという。
ゼロ知識テクノロジーには大きな可能性がある:FS Insight
ゼロ知識(ZK)テクノロジーは、プライバシーとセキュリティを維持しながら情報を検証する安全で効率的な方法を提供することで、多くの分野に革命をもたらす可能性があると、調査会社のFS Insightは3月7日に調査レポートで述べた。
この技術は、プライバシー、セキュリティ、スケーラビリティ、相互運用性、ソブリン・アイデンティティなどの分野でさまざまな用途があると報告されている。
マイニング機器大手カナン、第4四半期の収益は82%減──販売よりもセルフマイニングに注力
マイニング機器大手のカナン・クリエイティブ(Canaan Creative:嘉楠耘智信息科技)は、マシンの販売よりもセルフマイニングにますます注力するようになったため、2022年第4四半期の収益が前年同期比82%減の5680万ドル(約77億3000万円)だったと、3月7日のプレスリリースで発表した。
eスポーツのトップチーム、アバランチとの提携でWeb3ゲームに参入
世界トップクラスのeスポーツチーム「TSM」は3月7日、ゲームプラットフォーム「Blitz」の構築に際して、アバランチ(Avalanche)が独占的なブロックチェーンパートナーになると発表した。
アメリカ規制当局は対応をさらに強化する可能性。シグネチャーとバイナンスの動向に注目:モルガン・スタンレー
アメリカの規制当局は、暗号資産(仮想通貨)企業にサービスを提供する銀行に対する行動を強化しようとしている可能性があると、モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は3月8日の調査レポートで述べている。
暗号資産に特化した銀行であるシルバーゲート(Silvergate)が業界の動向と規制の発展を理由に清算を決定したことで、アメリカで法定通貨を暗号資産に変換するためのゲートが閉ざされ、その他の手段も規制措置によって閉鎖されるかもしれないとモルガン・スタンレーは述べている。
英FCA、違法な暗号資産ATMをロンドンでも摘発へ
イギリスの金融行動監視機構(FCA:Financial Conduct Authority)は、暗号資産ATMに対する強制措置を拡大し、ウェストヨークシャー警察と協力して北部の都市リーズで暗号資産ATM運営者に対処した後、調査対象を東ロンドンに移した。
FCAは、メトロポリタン警察と協力し、「違法に運営されている暗号資産ATMをホストしている疑いのある東ロンドンのいくつかの場所」を検査していると3月8日に述べた。
シルバーゲート銀行、任意清算へ──預金は全額返済
暗号資産(仮想通貨)に特化し、苦境に陥っているシルバーゲート銀行(Silvergate Bank)は、資産を「任意清算」し、業務を縮小すると持ち株会社シルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)が3月8日に発表した。預金は全額返済されることになるという。
「最近の業界と規制の動向を考慮し、銀行業務の秩序ある縮小と任意清算が最善の道であると考えている。事業整理および清算計画には、すべての預金の全額返済が含まれる。また、請求権を解決し、独自技術や税金資産を含む資産の残存価値を維持するための最善の方法を検討している」(プレスリリース)
bitbank、取扱銘柄数が国内No.1に
暗号資産取引所bitbankは、3月8日から3銘柄(エイプコイン、ガラ、チリーズ)の取り扱いを開始したことで取扱銘柄数が27銘柄となり、国内No.1となったと、同取引所を運営するビットバンクが発表した。
ムード一転するも高値圏を維持するビットコイン──トレンドラインを守れるか?【bitbank月次レポート】
2月のビットコイン(BTC)対ドル相場は高値揉み合いで終始し、1月の快進撃から失速した。
米国のインフレ減速期待で勢い付いた1月のBTC相場だったが、1月31日〜2月1日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過すると、一時は2.4万ドルに乗せるも失速。FOMCでは市場の予想通り、50ベーシスポイント(bp)から25bpへの利上げ幅縮小が決定され、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長からは「ディスインフレーションのプロセスが始まったと初めて言える」とポジティブな発言があったが、材料出尽くし感が広がった。
ニューヨーク州司法長官がクーコインを提訴、訴状でイーサリアムは証券と主張
米ニューヨーク州司法長官(NYAG)のレティシア・ジェームズ(Letitia James)氏は3月9日、暗号資産(仮想通貨)取引所クーコイン(Kucoin)を証券法違反で提訴。未登録で証券の定義を満たすトークン(イーサリアムを含む)を提供していると述べた。
規制当局が法定で、イーサリアムは証券にあたると主張したのは初めて。
シルバーゲートの清算で、ビットコインのオプション市場はプットに偏り
マクロ経済が悪化する中、暗号資産(仮想通貨)に特化したシルバーゲート(Silvergate)銀行が業務縮小を決定したことで、暗号資産投資家の不安が高まり、主要トークンの価格下落に対する保護を提供するデリバティブの需要が急増している。
報道発表時点では、4週間後に満期を迎える安価なアウト・オブ・ザ・マネー(OTM:権利を行使すると損失が出る状態)コールとOTMプットのインプライド・ボラティリティ/需要の差を見ることで導き出されるビットコイン(BTC)の30日コール・プット・スキューは、2カ月以上にわたって弱気のプットオプションに強い偏りを見せている。
JPモルガン、ジェミナイとの取引を停止か:報道
米銀行大手JPモルガン・チェースはウィンクルボス兄弟が所有する暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)との取引関係を解消すると関係者の情報をもとにウォール・ストリート・ジャーナルが伝えた。
メルコイン、「メルカリ」でビットコイン取引サービス提供開始
メルカリ子会社のメルコインは3月9日、暗号資産交換業を開始し、メルカリアプリ内でビットコインが売買できる新サービスの提供を開始すると発表した。
テレビ朝日が「WEB3 x Entertainment Creative Hackthon/Ideathon」を3月25日(土)から開催
テレビ朝日は3月9日、テレビ朝日メディアプレックスと「東京Web3ハッカソン」の運営として知られるtreavryと共に、「WEB3 x Entertainment Creative Hackthon/Ideathon」を開催すると発表した。3月25日KICK OFFイベントからエントリーを開始し、4月22日のDEMODAYで受賞者が決定する。
2カ月連続の陽線を記録も340万円のレジスタンスに上値を阻まれる【bitbankチャート分析】
今年のビットコイン月足は、1月、2月と陽線となりプラスで取引されました。2月は4.7%と小幅な上昇でしたが、昨年夏の水準まで値を戻しました。一方、昨年夏の340万円近辺が現在もレジスタンスとなり、上値が重い展開となっています。
月足全体で見ると、高値を切り下げる動きが続いています。340万円を超えることができるかはチャートストラクチャーの観点から重要な値動きと言えます。月足自体は3カ月移動平均線(3EMA)の上位で推移しており、底堅い動きが見られます。
ビットトレード、 フレア(FLR)の取り扱い開始を発表
フォビジャパンは3月10日、同社が運営する暗号資産取引所ビットトレードで3月22日からフレア(FLR)の取り扱いを開始し、入出金、販売所での購入・売却(現物のみ)が可能になると発表した。これによりビットトレードの取扱い暗号資産は28銘柄となる。
フィナンシェトークンのIEO、申込金額200億円突破
暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックの「Coincheck IEO」で、2月21日〜3月7日まで募集を行った「フィナンシェトークン(FNCT)の申込金額は合計200億円を突破、申込倍率は18.78倍となった。コインチェックが3月10日、発表した。
2月21日にスタートした申し込みは、開始から1時間で目標調達金額10億6600万円を超えるなど、多くの注目を集めた。3月16日にはコインチェックに上場し、売買が可能になる予定。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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