ブテリン氏の名前のついたウォレットがUSDCを約1億円分購入──USDCは週末に89セントだった

イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏の名を冠したウォレットが、週末に500イーサリアム(ETH)、つまり70万ドル強(約9400万円)を費やして、あまり知られていないステーブルコインのRAIを鋳造し、その資金で1ドルのペッグを下回って取引されていたUSDコイン(USDC)を購入した。

vitalik.ethというウォレットは7年前に作成され、3月14日の時点で5360以上のETHを保有していた。Ethereum Names Service(ENS)ドメインは暗号ウォレットに紐付けられるが、必ずしもその名前に関連する著名人によって保持されているとは限らない。

「ヴィタリックというラベルの付いたアドレスは、Reflexer Financeに500ETHを預けて15万RAIを鋳造し、13万2500RAIを37万8500USDCにスワップした」とブロックチェーンセキュリティ企業PeckShieldは3月13日に述べた。「さらに、過去3時間以内に1万7500RAIを5万DAIにスワップした」。

ブテリン氏は以前、ブログ記事でRAIのユニークな仕組みについて書いていた。他の多くのステーブルコインとは異なり、Reflexerが発行するRAIはいかなる法定通貨にも固定されておらず、代わりにETHが裏付けとなっている。RAIは、14日の時点で2.7ドル相当のETHと交換することができた。

10日にシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank:SVB)が破綻し、暗号資産(仮想通貨)市場全体が下落した後、USDCは週末にデペッグした。この影響を受けた企業には、アメリカを拠点とするステーブルコイン発行会社サークル(Circle)が含まれていた。同社は1月17日の時点でUSDCの準備金の一部をSVBで保有していた。

USDCは13日の夜にそのペッグを取り戻し、安値でUSDCを手に入れた買い手は48時間あまりで約10%の利益を得ることができた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ヴィタリック・ブテリン(CoinDesk)
|原文:Vitalik Buterin-Named Wallet Sent 500 Ether to Mint RAI, Buy USDC Amid Depegging