FRBの次の動きは?──利上げ継続か、逆のシナリオか

米連邦準備制度理事会(FRB)は、2つの難しいシナリオに頭を悩ませている。


  1. 利上げの継続:インフレ率は(低下しているとはいえ)まだ高すぎ、労働市場の逼迫が物価をさらに押し上げる可能性があり、インフレがすべての人に影響を与えている。状況は、何も変わっていない。
  2. 逆のシナリオ:インフレ率はまだ高いが、金利上昇のペースが債券の価値を低下させている。この結果、多くの銀行の財務安定性が損なわれ、預金者の財務安定性が損なわれている。状況は、すべて変わった。

暗号資産市場は2番目の選択肢を支持している。14日に発表された2月の米消費者物価指数(CPI)を受けて、ビットコイン(BTC)は5%、イーサリアム(ETH)は4%上昇している。

市場は、FRBのタカ派姿勢がインフレよりも経済にとって大きく、直接的な脅威となっていることを懸念している。最近の銀行危機はそうした主張を裏付けた。

一方、米CPIには、いくつか注目すべき点があった。2月の米CPIは、前月比0.4%上昇。1月の0.5%上昇から減速し、正しい方向に向かった。

だが、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、1月の0.4%上昇から0.5%上昇となった。アメリカの消費者は、中古車とガソリンの緩やかな下落を除き、あらゆるものに対して以前よりも多くの金額を支払っている。厄介なインフレというシナリオはまだ続いている。

だが火曜日の値動きは、インフレ懸念が経済成長への懸念よりも後回しになることを示した。

ビットコインはCPI発表後の1時間で4%上昇し、2022年6月以来の最高値2万6000ドルを突破した。2日連続で20日移動平均線を大きく超え、ボリンジャーバンドの上限を57日ぶりに突破した。

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イーサリアムは上限の突破は確認されていないものの、同様の動きを見せている。取引高も増加した。ポルカドット(DOT)、ライトコイン(LTC)、イーサリアムクラシック(ETC)も取引高が増加した。

マクロシナリオでは、0.25%の利上げ確率は、わずか1週間で0%から35%、16.6%と変動している。

今後数週間、特にリスク資産と暗号資産にはボラティリティが見られるだろう。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Crypto Investors Are Left Guessing the Fed’s Next Move