相次ぐ強制閉鎖を受けて、銀行セクターを支える米ドルの流動性が高まるという期待がビットコイン(BTC)の上昇を後押ししているが、他の要因も絡んでいるとモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は3月26日の調査報告書で述べている。
時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは、今年に入ってから69%の上昇を記録している。
シーナー・シャー(Sheena Shah)氏率いるアナリストは、「ビットコインのオーダーブックの流動性は1年ぶりの低水準で、出来高の減少は以前より大きな値動きを引き起こす可能性があることを意味している」と書いている。
現在、バイナンス(Binance)のビットコインの取引シェアは80%に達しており、バイナンスのトレーダーがビットコインの価格を設定していることになるという。
最大のステーブルコインであるテザー(USDT)の発行は先月だけで10%、今年に入って16%上昇したが、これはバイナンスUSD(BUSD)やUSDコイン(USDC)といった他のステーブルコインの減少を相殺するには十分ではなかったと報告書には書かれている。
ステーブルコインは、その価値が他の資産、通常は米ドルにペッグされている仮想通貨の一種だ。ステーブルコインのフローは、暗号資産エコシステムに出入りする資金を示している。
テザーの総発行量の半分以上(最近の発行量の70%)がトロン(TRON)ブロックチェーン上にあり、その背後にある会社は現在SECのよる訴訟の対象になっているとモルガン・スタンレーは指摘している。そして、暗号資産取引所のクラーケン(Kraken)とバイナンスがテザーの新しい受け皿になっているように見えると付け加えた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Has Benefited From U.S. Dollar Liquidity to Support Banks: Morgan Stanley