米CFTC、バイナンスとジャオCEOを提訴

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、アメリカで未登録の暗号資産デリバティブ商品を提供し、連邦法に違反したとして、米商品先物取引委員会(CFTC)は3月27日、両者を提訴した。

27日、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状では、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ステーブルコインのテザー(USDT)とバイナンスUSD(BUSD)はコモディティとされていた。

提訴が伝えられた後、ビットコインは約1000ドル下落、バイナンスコイン(BNB)は約3%下落、暗号資産関連銘柄も下落した。

CFTC によると、バイナンスは所在を隠蔽するシステムを構築したという。

CFTCの主任弁護士グレッチェン・ロウ(Gretchen Lowe)氏は、バイナンスの行為を「米国法の意図的な回避」と呼んだ。

さらに、バイナンスはアメリカの顧客に対し、制限を回避するためにさまざまな方法を使用するよう指示したと訴状は記している。

「バイナンスは、アメリカの顧客が顧客ベースのかなりの割合を占めていることを認識していた」と訴状は、ジャオ氏に送られた社内の月次レポートを引用して述べた。

バイナンスの広報担当者は訴状について具体的にコメントすることなく、コンプライアンスチームを100人から750人に増員し、KYC(顧客確認)および他のコンプライアン関連に8000 万ドルを費やすなど、同社は「当社のプラットフォームでアメリカのユーザーがアクティブにならないようにするため、過去2年間に多額の投資を行った」と述べた。

「CFTCが提出した申し立ては、2年以上にわたってCFTCと連携してきたことを考えると、予期せぬもので、残念だ。それでも、アメリカおよび世界中の規制当局との協力を続けていく。前進する最善の道は、 ユーザーを守り、規制当局と協力して、明確で、よく検討された規制体制を構築すること」(広報担当者)

バイナンスの広報担当者は、バイナンスは現在「アメリカの居住者すべてに対する国ごとのブロック」を維持しており、「世界のどこに住んでいるかに関係なく、アメリカ市民として特定されたすべての人」をブロックしていると述べた。また、アメリカの銀行口座に加えて、アメリカの携帯電話会社とIP アドレスもブロックしていると述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:バイナンスのチャンポン・ジャオCEO(CoinDesk archives)
|原文:CFTC Sues Binance, CEO Zhao Over ‘Willful Evasion’ of U.S. Laws, Unregistered Crypto Derivatives Products