米商品先物取引委員会(CFTC)がバイナンスと創業者兼CEOのチャンポン・ジャオ氏を提訴したことを受けて、ビットコイン(BTC)は一時2万7000ドルを割った。日本時間28日11時15分頃には、2万7070ドル付近。
TradingViewによると、コインベース(Coinbase)のBTC/USDペアは2万6525ドルまで下落し、3月17日以来の安値となった。
StockCharts.comのシニア・テクニカルアナリスト、ジュリアス・デ・ケンペナー(Julius de Kempenaer)氏は、バイナンスと米商品先物取引委員会(CFTC)の訴訟がビットコイン価格を下落させた可能性は「きわめて高い」と述べた。
だが同氏は、規制当局の監視強化を示したとしても、訴訟の「影響はまだわからない」と続けた。同氏によると、ビットコインは2万5000ドル付近まで下落する可能性があるという。
「その水準が続くなら、長期的な底打ちからの脱却はまだ進行中」、しかし「2万9000ドル〜3万2000ドルの間の重いレジスタンスレンジを抜ければ、はるかに強い上昇への道が開けるだろう」と同氏は述べた。
バイナンス提訴のニュースは、価格上昇に投資するトレーダーの不意を突いた。Coinglassによると、約3900万ドル相当のビットコイン・ロングポジションが清算された。
アルトコインも下落
訴状は、ビットコイン、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ステーブルコインのテザー(USDT)とバイナンスUSD(BUSD)は証券にあたるとしている。
イーサリアムは24時間で3.6%下落。バイナンスコイン(BNB)は5%以上下落して、310ドル付近。ライトコイン(LTC)は 約4.8%下落した。
暗号資産データ企業カイコ(Kaiko)のリサーチアナリスト、リヤド・キャリー(Riyad Carey)氏によると、規制の不明確さ、特にCFTCの訴状に記された主張は、市場を動かす「懸念」要因と語った。
「バイナンスは現在、世界最大の暗号資産取引所であり、市場にきわめて大きな影響を与えている」とキャリー氏。だがこのニュースの重要性から考えると、下落は「それほど深刻ではない」と付け加えた。
一部の暗号資産関連株も下落。コインベース(COIN)とビットコインマイニングのマラソン・デジタル・ホールディングスの株価は、それぞれ8%、6%下落した。
破綻したシリコンバレー銀行を米地銀のファースト・シチズンズ銀行が買収するとのニュースが27日午後に発表されたことを受けて、株式市場はまちまちとなった。S&P500 とダウ平均は、それぞれ0.4%、0.8%上昇。一方、ナスダックは0.1%下落した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Sinks Below $27K After CFTC Files Suit Against Binance