Happy Birthday、サトシ! 48回目の誕生日おめでとう

Happy Birthday、サトシ! 今日(アメリカ時間4月5日)はビットコインの生みの親、サトシ・ナカモトの誕生日だ。

サトシの正体はわからないし、これからもわからないだろう。だがこの匿名の創設者には誕生日があるようだ。

P2P財団に名前を登録する際にサトシは生年月日を入力した。登録によると、サトシの誕生日は1975年4月5日。P2P財団ではサトシの年齢は、2014年4月4日に38歳と表示され、2015年4月5日には40歳と表示されている。

もちろん、ビットコイン支持者たちは、サトシがこの日を選んだ理由について、実際の誕生日であること以外にさまざまな説を唱えている。

代表的な説は、フランクリン・D・ルーズベルト大統領が1933年4月5日にゴールドの個人所有を禁止した大統領令6102号に署名したこと。アメリカ人はゴールドをドルと引き換えに政府に没収された。さらに翌年のGold Reserve Act(金準備法)によって、ゴールド1オンスあたりの価格は20ドルから35ドルに引き上げられた。実際、これは単なるドルの切り下げだった。

サトシは、政府が管理するマネーの失敗について、私たちに警告したのだろうか? そうに違いない!

サトシの正体は、ハル・フィニー? ニック・サボ? アダム・バック? レン・ササマン? ジョン・ナッシュ? それとも彼ら全員? あるいは、そのどれでもなく、他のサイファーパンクの自由奔放なグループ?

誰も知らないし、そんなことはどうでもいい。この特別な誕生日に、サトシにまつわるもうひとつの別のことを取り上げたいと思う。

結局のところ、ビットコインはオープンソースのプロトコルであり、創設者の存在にとらわれない。2011年、ビットコインがまだ黎明期だった頃にサトシはビットコインから離れ、その後、5000億ドル規模のグローバルなマネーシステムに成長したという事実は2つの考えを導き出す。

1)サトシはビットコインが行く末を理解していた創設者だが、それはプロトコルがリーダーレスであることが前提だった。

2)ビットコインのこれほどの成功は、基本的に小さな奇跡。

サトシが何を思ってビットコインから離れたのかは誰にもわからないが、そうでなければ、おそらくビットコインはこれほど成功しなかっただろう。

もし私たちがサトシの正体を知っていて、彼/彼らに指導を仰いでいたら、ビットコインはこれほど重要な存在になっていただろうか? サトシはタップルート(Taproot)を認めただろうか? OrdinalによるビットコインNFTを認めただろうか?

認めたかもしれないし、そうではないかもしれない。

重要なことは、そんなことは問題ではなく、ビットコインはいまや皆のものということ。リーダーはいない。

なので、面倒なことがあるかもしれないが、少なくともそれは皆の問題だ。もし、サトシの正体が明らかになり、多くの人が熱狂したとしても、その人物にプロジェクトの完全な所有権が与えられることはないだろう。仮にそうなっても、反対する人が多数いるだろう。

ビットコインはルールを定める人がいないことがルールだ。

サトシ、誕生日おめでとう。あなたがどこにいるかわからない。私たちはあなたを愛している。でも寂しくはない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Happy 48th Birthday, Satoshi Nakamoto