ビットコインは年初から70%上昇、だが清算による価格変動リスクは低い

ビットコイン(BTC)は年初から70%上昇し、一時9カ月ぶりの高値2万9000ドル超を記録した。価格上昇でデリバティブ市場は活気を取り戻したが全体的に落ち着いており、清算によって価格が乱高下するリスクは低いようだ。

2021年の強気相場と2022年の弱気相場初期には、ロング/ショートのスクイーズがしばしば起こった。市場規模に比べてレバレッジがかなり高く、価格変動によって数十億ドル相当のポジションが影響を受けた。だか今年は年初からレバレッジ比率は下がり続けている。

「時価総額に対して建玉が多いことは、市場がショートスクイーズや清算の連鎖に対して脆弱な可能性が高く、その結果、価格変動が他の場合よりも大きくなる」とブロックウェア・ソリューションズ(Blockware Solutions)のアナリストは週刊ニュースレターで述べた。

「建玉/時価総額の比率低下という中期的なトレンドは崩れておらず、これは価格が下落した場合でも、価格は年初レベルまでは下落しない可能性が高いという安心感につながる」

建玉/時価総額の比率は下がり続けており、清算の連鎖が起こる可能性は小さい(Blockware Solutions, Glassnode)

市場はリスクオフモード

かつて第3位の暗号資産取引所であり、永久先物の取引で人気のあったFTXが昨年11月に破綻して以降、建玉/時価総額の比率は低下している。

ブロックウェア・ソリューションズによると、比率は最近も依然として低いままで、投資家のリスク選好度が低いことを表しているという。

「ビットコインはこの3週間、基本的に横ばい推移となっているが、建玉は増えていない。市場がまだリスクオフモードにあることを示している」とブロックウェア・ソリューションズのアナリストは指摘した。FTX崩壊の前に見られたように、永久先物は通常、横ばい推移の期間中に需要が高まるという。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは3月21日以降、2万7000ドルから2万9000ドルの狭いレンジで推移している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Blockware Solutions, Glassnode
|原文:Bitcoin Faces Low Risk of ‘Liquidations-Induced’ Price Volatility After 70% Surge