「シャンハイ」はイーサリアムへの売り圧力か──アナリストの予想は?

協定世界時4月12日22時27分(日本時間13日7時27分)頃に予定されているイーサリアム・ブロックチェーンの「シャンハイ」アップグレードで、イーサリアム(ETH)への売り圧力がどの程度になるかは、アナリストによって予想が異なっている。「シャペラ(Shapella)」とも呼ばれる「シャンハイ」で、バリデーターはロックされていたETHとステーキング報酬を引き出すことができるようになる。

JPモルガン(JPMorgan)は、100万を超えるイーサリアムが即座に利用可能になるため、アップグレードによる売り圧力に直面する可能性が高いと述べている。

ニコラス・パニギスツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるJPモルガンのアナリストは、「問題を抱えたエンティティ」に属するステークされたイーサリアム残高からの追加売却の可能性を加えると、今後数週間で売り圧力はより大きくなるかもしれないとしている。同行は、今後数週間、イーサリアムがビットコイン(BTC)をアンダーパフォームすると予想している。

一方、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は、シャンハイという流動性イベントが直接イーサリアムの売り圧力を促進するとは考えていないが、前回のアップグレードである「Merge(マージ)」に関連した流動性の低下、為替資金の流入、デリバティブ取引や価格操作により、イベント周辺でボラティリティが高まると予想している。

コインベース(Coinbase)は、このイベントを背景としたイーサリアムの売りは比較的限定的であるべきだとしている。

アップグレードに関係する直接の販売は、1日の平均的なイーサリアム取引量の約1~2%に過ぎず、コインベースはおそらくその範囲の下限に近いものになるだろうと述べている。

「シャンハイ」の前後のETHのパフォーマンスは、テクニカルに左右されることはなく、その時の「リスク」がどうなっているかに左右されることになるかもしれない。アナリストのアナリストのデビッド・ドゥオン(David Duong)氏とブライアン・キュベリス(Brian Cubellis)氏は、市場がリスク資産を売り込むと判断した場合、投資家はリスク回避のためにETHを売却する可能性があり、機関投資家はそれほど積極的に購入側に回らないかもしれないと指摘している。

記事執筆時点では、イーサリアムは2.5%安の1870ドル前後で取引されていた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Here is What Analysts Are Saying About the Ethereum Blockchain’s Shanghai Upgrade