米独立系報道機関プロパブリカ(ProPublica)がまとめたロビー活動開示データベースによると、ワシントンDCに拠点を置くFSベクター(FS Vector)は、2019年8月5日(現地時間)以降、フェイスブックを顧客とし「ブロックチェーン政策に関連する問題」に取り組むと、8月23日に議会に登録している。
登録書類によると、FSベクターのパートナー、ジョン・コリンズ(John Collins)氏がフェイスブックのロビー活動を担当する。ビジネス向け交流サイト、リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールによると、コリンズ氏は2014年9月から2016年1月まで、コインベースで方針責任者を務めていた。
コリンズ氏は、米上院国土安全保障・政府問題委員会の上級職員を務め、2013年には仮想通貨とブロックチェーンに関する初の議会審問および公聴会に携わった経験を持つ。
フェイスブックは、リブラ計画を巡り、米議員から圧力を受けている。
下院金融サービス委員会の委員長を務める民主党のマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)下院議員(カリフォルニア州)は、リブラの運営・開発を目的に設立されたリブラ協会(Libra Association)が拠点とするスイスに出向き、スイスの規制当局担当者らと会談を行ったものの、リブラに関する疑念は払拭されなかったと8月25日に語った。
ウォーターズ議員は、フェイスブックが6月にリブラ計画を正式発表した数日後に、リブラ開発の「一時停止」を求めたことで知られている。
フェイスブックが、ブロックチェーン関連のポリシーに取り組むためにロビイストや外部ロビー企業を雇うのは今回が初めてではない。
政治ニュースに特化した米メディア、ポリティコ(Politico)は7月、フェイスブックが2019年に、スターンヘル・グループ(Sternhell Group)、サイプレス・グループ(Cypress Group)、そして法律事務所のデービス・ポーク(Davis Polk)などの外部ロビー企業を雇い、リブラのためのロビー活動に750万ドル(約7億9300万円)以上を費やしたと報じている。
またプロパブリカのデータベースによると、フェイスブックは「ブロックチェーン政策関連の問題」に重点的に取り組むために、ロビー企業のオフ・ヒル・ストラテジーズ(Off Hill Strategies)と法律事務所のブライアン・ケーブ・ライトン・ペイズナー(Bryan Cave Leighton Paisner)を6月に雇っている。
翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:David Marcus image via Senate Hearing
原文:Coinbase’s Ex-Policy Head Will Lobby for Facebook’s Libra Crypto