三菱UFJ信託銀行とDatachainは4月27日、「ステーブルコインによるデジタル証券のクロスチェーン決済」の技術検証に成功したと発表した。
技術検証では、三菱UFJ信託銀行が開発を進めているステーブルコイン発行管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」のブロックチェーン層の1つであるCordaと、Progmat以外のブロックチェーン基盤を想定したGoQuorumを相互接続し、両ブロックチェーン上のトークンの同時移転を実現した。
「Progmat Coin」基盤を用いたクロスチェーンの取り組みとしては、ステーブルコインとデジタル証券のDVP(Delivery Versus Payment)決済、ステーブルコイン同士あるいはステーブルコインと地域デジタル通貨等のPVP(Payment Versus Payment)決済があるが、今回の技術検証は、前者(DVP決済)の取り組みになるという。
規制に準拠したステーブルコインによるデジタル証券のブロックチェーンをまたいだ決済(クロスチェーン決済)は、グローバルで見ても最先端の取り組みとなると両社はリリースで述べている。
両社は、Cordaの開発者R3や関連する証券会社などとも連携を深めながら、2024年の商用化に向けて、取り組みを推進していく予定だ。
なお、日本におけるステーブルコインの発行・流通は、2022年6月に改正資金決済法が成立し、法的な枠組みが整理された。同法の施行は公布から1年以内となっており、まもなくの施行が期待される。
「Progmat Coin」基盤を用いたステーブルコインは、同法施行後に仲介業者がライセンス登録を完了すれば、発行・流通が可能になるという。
|編集:増田隆幸
|画像:プレスリリースより