資産運用会社は、成長株(グロース株)や弱気市場で不当なほどの打撃を受けた暗号資産のチャンスを見出している。
4月26日に開催した「Consensus 2023」で、リリウオカラニ・トラスト(Liliʻuokalani Trust)のドーン・ハーフリンガー(Dawn Harflinger)CEOなど、暗号資産セクターへの投資家は最近の弱気相場にもかかわらず楽観的なトーンを表明した。
ハーフリンガー氏は、人気テレビドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』の中でも印象的なエピソードとして知られる「レッド・ウェディング」の流血シーンと同じだと述べた。
同氏は、暗号資産市場の「燃える建物」に遭遇することを楽しみにしていると述べ、具体的には成長段階のブロックチェーン企業の資金調達ラウンドに参加し、上場の際にさらに投資することにエキサイトしていると語った。
パネルディスカッションには、Texas Teachersの不動産・デジタル資産担当ディレクターのマット・ハルステッド(Matt Halstead)氏と、10T Holdingsの最高投資責任者(CIO)ダン・タピエロ(Dan Tapiero)氏も登壇。
ハルステッド氏は、デジタル資産は「テクノロジーの未来に不可欠なものとなる可能性を秘めた投資」と述べ、イノベーションがもたらす幅広い影響力を強調した。
「この業界が今後どのように発展していくかはわからないが、未来は明るいと考えている」
デジタル資産のチャンスは多面的であり、価値は今は低下しているが、投資する価値があるということが最も重要なテーマだと同氏は語った。他のメンバーも同じことを述べた。
デジタル資産のエコシステムは以前よりも、広く深くなっており、ビットコイン(BTC)との相関性も低くなっているとタピエロ氏は指摘。「ビットコインがゼロになると言っている人はどこにもいない」と断言しつつも、相関性のないデジタル資産が存在することで、機関投資家は割安なアルトコインへの投資など、ビットコイン以外に手を広げるチャンスを得ていると述べた。
伝統的金融機関が暗号資産に参入したことで、評価が過剰な水準に押し上げられたとタピエーロ氏。10倍〜12倍の収益があった資産の評価は、50倍〜100倍の評価が求められるようになり、その結果として市場は下落し、多くの市場参加者が「暗号資産の冬」を感じることになったという。
評価がもとの水準に戻ってきたため、今は大きなリターンが期待できるタイミングだと同氏は述べた。
「何が好きか、どんなポートフォリオを作りたいかがわかっていれば、暗号資産投資に最適な時期」(タピエロ氏)
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ドーン・ハーフリンガー氏(Shutterfly/CoinDesk)
|原文:Tradfi Sees Opportunity in Crypto Despite ‘Red Wedding,’ Burning Buildings