NFTゲームの最新動向を解説!人気ゲームや市場規模は?

ブロックチェーン技術を活用したNFT市場が活況だ。デジタルアートやデジタルファッションの分野に加え、NFTゲームへの注目が高まっている。「プレイで稼げる」などとも耳にするが、どのような仕組みなのか。日本の人気タイトルや市場規模、ゲームの始め方についても解説する。

NFTゲームって何?

NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)とは、デジタルデータに唯一無二の価値を生み出すことができるトークンだ 。それによって、デジタルアートなど代替不可能な資産を作り出した。ブロックチェーンにおけるこの技術を活用したNFTゲームは、既存のゲームとは異なる特徴を持つ。

データの改ざん、不正が困難

ブロックチェーン上では、例えば仮想通貨(暗号資産)の取引履歴(トランザクション)など、データをユーザー同士で管理している。そのため、改ざんや不正が困難な仕組みだ。

NFTゲームでも同様に、ゲームデータがブロックチェーン上で記録される。プログラムを改変して自身に有利なように不正をする「チート行為」は実質的に不可能だ。プレーヤーは他者のチートに悩まされることなく、ゲームを楽しめる。

ゲーム内のアイテムやキャラクターが資産になる

既存のゲームでは、時間をかけてアイテムやキャラクターを収集しても、当該ゲームの中でしか使えない。また、運営者がサービスを終了すると、それらの価値もなくなってしまう。

NFTゲームでは、取得したり自ら作成したりしたキャラクターなどを、ゲーム外でも資産として持ち続けることができる

ゲームで「稼ぐ」こともできる?

ゲーム内で得たり作成したりしたものを資産に残せるため、それらをNFTマーケットプレイスで販売できる。マーケットプレイスでは、イーサリアム(ETH)などの仮想通貨を使って作品を売買する。収益が出る可能性もある。

ゲームによっては好成績を記録した場合など、報酬としてトークンを獲得できるケースもある。この「Play to Earn(遊びながら稼ぐ)」という概念は、NFTゲームの大きな特徴だ。

NFTゲームの市場規模は?

NFTに関する調査を行う「NonFungible.com」の報告書によると、NFTゲームにおける2021年の売上は51億7,000万(約7,400億円)ドルに至った。NFT市場全体で見ると、2020年の8,200万ドル(約118億円)から2021年は176億ドル(約2兆5,300億円)と、200倍以上に拡大している。

別な調査会社のデータの予測も紹介しよう。Mordor Intelligenceの調査データによれば、2024年におけるNFTゲームの世界市場規模は米ドルで4,719億ドルと推測され、2029年までに9,425億ドルまで拡大するという。5年でマーケットサイズが約2倍になる予測で、2024〜2029年における年平均成長率(CAGR)は14.84%に上るとみている。

最大市場はアメリカとした上で、最も成長が速いマーケットはアジア太平洋地域だという。NFTゲーミングのマーケットリーダーとしては「Axie Infinity」「Gods Unchained」「CryptoPunks「Bored Ape Yacht Club」「The Sandbox Source」を挙げている。

一方で「NFTはますます人気が高まっていますが、著作権問題、知的財産権の懸念、環境への影響、セキュリティリスクなどの課題に直面し続けている」と指摘していることにも注目したいところだ。

いずれにしても、今後はNFTの知名度も上がり、技術的、社会的にますます成熟していくと考えられている。

人気の国産NFTゲームを紹介

特に注目度の高い日本のNFTゲームを紹介する。

PolkaFantasy (ポルカファンタジー)

ゲーム名PolkaFantasy
リリース2022年(ベータ版)
ジャンルブロックチェーンゲーム兼NFTマーケットプレイス
使用通貨XPトークン
対応プラットフォームPC

日本の2次元カルチャーに特化したプロジェクトだ。開発には、「ポケモン」を手がけた岩田圭介氏など、有名なアニメ・ゲーム制作陣が関わる。現在はベータ版だが、2023年に正式リリースが予定されている。

Crypto Spells (クリプトスペルズ)

ゲーム名Crypto Spells
リリース2019年
ジャンルトレーディングカードゲーム
使用通貨MCHコイン
対応プラットフォームPCブラウザ、iOS、Android

ゲームに使うカードを自由に売買・発行できる。「カード発行権」を使えばユーザーがオリジナルのカードも発行でき、マーケットで取引ができる

他のゲームとのコラボも積極的に実施しており、Crypto Spells内のカードをMy Crypto Heroesと相互使用できる。

My Crypto Heroes (マイクリプトヒーローズ)

ゲーム名My Crypto Heroes
リリース2018年
ジャンルMMORPG
使用通貨RAYS
対応プラットフォームPCブラウザ、iOS、Android

ヒーローと呼ばれるキャラクターやアイテムは全てNFT化されている。織田信長やナポレオンなど、歴史上の偉人をヒーローのモチーフにしている点も魅力的だ。

CrossLink (クロスリンク)

ゲーム名CrossLink
リリース2020年
ジャンル位置情報ゲーム
使用通貨ビットコイン
対応プラットフォームiOS、Android

GPSとブロックチェーンを組み合わせたゲームシステムを持つ。キャラクターを目的地に向かわせておけば自動で報酬が得られ、放置ゲームの側面もある。NFTマーケット「TOKENLINK」も運営している。

Crypto Ninja (クリプトニンジャ)

ゲーム名CryptoNinja
リリース2021年
ジャンルNFTコレクション
使用通貨イーサリアムなど
対応プラットフォームPC

忍者をモチーフにしたライセンスフリーのキャラクター「Ninja」を用いて、二次創作やグッズ制作をしたりして収益を得られる。漫画家やミュージシャンなど多様なクリエイターが関わるプロジェクトも稼働している

NFTゲームをやってみたい!始め方は?

実際にNFTゲームをプレイする際の手順を解説する。

STEP1:ゲームのアカウントを作成

プレイしたいゲームの公式サイトにアクセスし、アカウントを作る。中には序盤は無料でプレイできるものもある。

STEP2:仮想通貨とウォレットを準備する

ゲーム内やマーケットでアイテムなどを購入するため、仮想通貨を準備する。取引所に口座を作成し、購入する。次に、多くのNFTゲームに対応している仮想通貨ウォレット「メタマスク」を用意し、仮想通貨を入金する。

STEP3:ウォレットと連動し、ゲームを始める

ゲームのアカウントと作成したウォレットを紐付けると、ゲーム内に送金が可能になる。アイテムやキャラクターを購入し、ゲームを開始する。

NFTゲームに関するQ&A

NFTとは?

非代替性トークンを意味するNon-Fungible Tokenの頭文字で、デジタルデータに唯一無二の価値を生み出すことができるトークンを指す。

NFTゲームとは?

ブロックチェーン・NFTの技術を活用したゲームで、不正が困難なこと、ゲーム内アイテムなどを資産として所有・売買できることが特徴。プレイで収益を出せることもある。

NFTゲームの市場規模は?

2021年のNFT全体の市場規模は176億ドル、NFTゲームの売り上げは51億7,000万ドルで、今後ますますの拡大が期待されている。

どんなNFTゲームがある?

日本のアニメカルチャーに特化した「PolkaFantasy」や、トレーディングカードを売買できる「Crypto Spells」など、それぞれ特徴的なタイトルが複数ある。

NFTゲームの始め方は?

プレイしたいゲームのアカウントと、仮想通貨取引所の口座やウォレットを準備する。仮想通貨を購入しゲーム内に送金すれば、アイテムなどの購入が可能だ。

NFTの世界を「遊びながら」体験

2021年ごろから急速な拡大を見せているNFT市場で、中でもNFTゲームは「遊びながら稼ぐ」「ゲーム内データに資産価値がある」という点で画期的だ。既存のゲームの魅力を残しつつ、全く新しい楽しみ方ができるのではないか。成長の渦中にあるNFTの世界を「遊びながら」覗いてみても良いかもしれない。

参考文献

NFTゲームとは?|Coincheck
https://coincheck.com/ja/article/462

話題のNFTって何?|ソフトバンクニュース
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20220721_01

NFT game sales hit $5.17B in 2021|NonFungible.com
https://venturebeat.com/games/nonfungible-com-nft-game-sales-hit-5-17b-in-2021/