先物の方が価格が高い「プレミアム」の状態にわずかながらなっているにもかかわらず、ビットコイン(BTC)の長期保有者は保有量を増やし続けている。一方、CoinDeskのビットコイン・トレンドインジケーター(Bitcoin Trend Indicator:BTI)は、ビットコインが強い上昇トレンドの途中にあることを示している。
ビットコインの供給量に占める長期保有者の割合を30日単位で計測した数値は、3月31日以降上昇傾向にある。長期保有とは、155日以上保有されているコインを指す。
こうした投資家は長く保有しているコインを使う可能性が低い傾向があるため、長期保有者の割合の上昇は、動きのない休眠中の供給量を示しており、強気のセンチメントを反映するものだ。
ビットコイン価格が同じ期間に横ばいになっているにもかかわらず長期保有者の割合が上昇していることは、ビットコイン保有者が最近の値動きの鈍化について、より多くの値上がり幅を得るチャンスと捉えていることを示している。年初来、ビットコイン価格は68%上昇している。
この増加はまた、ビットコインの時価総額を取引高で割ることで算出されるネットワーク・トランザクション・バリュー(NVT)の値が年初来平均の53.7より6%高い中で起きたものだ。
株式の世界で相対的価値の指標として使われる株価収益率と比較すると、このNVTの値が高いほどビットコインが買われすぎていることを示し、値が低いほど売られすぎている可能性があることを示す。この場合、平均値に近いということは、市場がやや「プレミアム」の状態になっているが、現時点では比較的バランスが取れていることを意味する。
一方、CoinDeskのビットコイン・トレンドインジケーター(CoinDesk Bitcoin Trend Indicator、BTI)からは、価格がさらに上昇する可能性が読み取れる。
BTIはCoinDeskの子会社であるコインデスク・インディシーズ(CoinDesk Indices)が開発したもので、ビットコインの価格トレンドの方向性と強さを示すシグナルをデイリーベースで発信している。
BTIは、移動平均線の強気クロスオーバーと弱気クロスオーバーのシグナルが切り替わるタイミングの長さを分析し、「強い下降トレンド」から「強い上昇トレンド」まで、5つの評価でデイリーベースのトレンドを発信している。このBTIは、ビットコインが強い上昇トレンドにあることを示している。
短期トレーダーは、一旦「中立」に戻っていたBTIのシグナルが4月28日に上昇トレンドに変わったことに注目するだろう。このシグナルが出て以来、ビットコイン価格は5%下落している。
1年単位で見ると、2023年の最初の上昇トレンドシグナルは1月13日に発生し、その日以降、ビットコイン価格は40%上昇している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林 理南
|画像:Glassnode
|原文:Long-Term Bitcoin Holders Add to Their Holdings, Even as Prices Retrace