4月後半から上値が重い展開が続く、400万円を回復するには金利低下が鍵【bitbankチャート分析】

ビットコイン週足

  • ビットコインの週足は足元で約2カ月間の移動平均線となる8EMAを下回り推移しています。先週、5月2週目の週足の終値は369万円でした。ここ数週間は上値が重い展開となっています。4月までは強い相場となっており一時411万円を記録し、1年ぶりの高値となりました。4月に年初来高値を記録した一方で4月後半からは売りが優勢となり、2週間前に移動平均線を下回りました。400万円近辺が現在のレジスタンスとなっています。
  • 長期で見るとビットコインは今年の始めから上昇のトレンドラインを形成しています。長期のチャートはまだ崩れていませんが、このままトレンドラインを試す動きが続くと2月の高値近辺まで下落する可能性が高まります。340万円が2月の高値となり、今後のサポートになるでしょう。

ビットコイン日足チャート

  • ビットコイン日足も週足と同様に足元で弱いチャートが形成されています。先週は2週間移動平均線(14EMA)の上位に浮上する場面がありましたが、380万円手前から売られトレンドの反転は見られませんでした。MACDもマイナス圏で下落が継続しており、モメンタムが低下傾向にあります。テクニカルは短期で下方向へのシグナルが多く見られます。日足のサポートである350万円台を割らずに推移できるかが相場のターニングポイントとなるでしょう。割り込んだ際はさらに売りが加速することが懸念されます。

米国10年国債金利日足チャート

  • 上記はビットコインと負の相関関係にある米国10年国債金利の日足チャートです。金利は4月に記録した3.2%を安値に徐々に上昇し始めています。ビットコインは同時期から上値が重くなり、売られ始めています。金利は足元でさらに上昇しており、今週は3.7%を記録しています。ビットコインの足元の弱さも金利の上昇が大きく影響していると考えられます。
  • アメリカでは債務上限問題が浮上しており、足元の金利上昇の要因となっています。期限となっている6月1日までに問題が解消されれば、金利の低下が期待されます。また、6月13日に行われる米中央銀行のFOMCで利上げが停止されると、こちらも金利上昇の抑制に繋がるでしょう。金利動向とビットコインの値動きには強い関連があるため今後の推移に注目です。

真田雅幸:ビットバンク(bitbank)マーケット・アナリスト──カリフォルニア州立大学で経済学を専攻し社会のお金の流れについて興味を持つ。大学在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankで業界に関する調査業務を行いながら同社のメディアで寄稿を行う。2015年冬頃からビットコインへの投資、トレードを徐々に始める。最近は基本的なテクニカルに加え、デリバティブ情報やオンチェーン情報も分析しながらトレードを行う。