SWIFTとチェーンリンク、十数の大手金融機関と複数のブロックチェーン接続をテスト

銀行間の国際決済をサポートするSWIFT(スイフト:国際銀行間通信協会)と、ブロックチェーンに実世界のデータを提供するチェーンリンク(Chainlink)は、6月6日に発表されたプレスリリースによると、数十の金融機関と協力し、複数のブロックチェーンとの接続方法をテストするという。

テストでは、米株式市場の基本的にすべての取引を処理するDTCC(Depository Trust & Clearing Corp.:米国証券保管振替機関)、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)、BNPパリバ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)、シティグループ、欧州最大の証券決済機関のクリアストリーム(Clearstream)、同じく証券決済機関のユーロクリア(Euroclear)、ロイズ・バンキング・グループなどの主要TradFi(伝統的金融)機関と提携する予定。

その目的は、これらの機関がSWIFTのインフラを利用して、ブロックチェーン間でのトークン化された資産の送金を指示する方法をテストすることだという。

チェーンリンクは、テストのためにパブリックおよびプライベートの双方のブロックチェーンにまたがる接続性を提供。SWIFTとチェーンリンクの提携は、2022年、チェーンリンクの年次会議SmartConで発表された。

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資本市場では、ブロックチェーン技術は「効率性を生み出し、コストを削減」する可能性があり、決済プロセスを簡素化することで、流動性を高めるのみならず、多くの投資家をプライベートマーケットに惹きつける可能性があるとの見方が強まっているとSWIFTはリリースで述べた。

これは伝統的金融機関にとって重要な動きであるだけでなく、暗号資産業界にとっても重要なステップと、チェーンリンク共同創業者のセルゲイ・ナザロフ(Sergey Nazarov)氏はCoinDeskに語った。

「銀行はグローバルにみて最大規模の資産を保有しており、暗号資産業界が1桁兆ドルを超えて成長しようとするなら、銀行の参入は不可欠。実際、ブロックチェーン業界を10超ドルを超えて成長させるのは、銀行とその顧客になると考えている」

現状、CoinMarketCapのデータによると、暗号資産の時価総額は1兆800億ドル。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:左:チェーンリンクのナザロフCEO(Chainlink Labs)
|原文:Swift and Chainlink Will Test Connecting Over a Dozen Financial Institutions to Blockchain Networks