ビットコイン(BTC)のドミナンス(暗号資産市場の時価総額全体におけるシェア)は6月10日未明に上昇し、2021年4月以来となる50%に近づいた(データサイトのTradingViewによる)。
暗号資産市場では、投資会社がソラナ(SOL)、ポリゴン(MATIC)、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)など、約20億ドル(約2800億円)相当のアルトコインを売却したと噂され、これらの価格は2桁以上下落した。
一方、ビットコインはわずか3%の下落にとどまった。ビットコインが相対的なアウトパフォーマンスはおそらく、安全資産としての需要の高まりに起因している。投資家はアルトコインから、世界最大かつ最も流動性の高い暗号資産であるビットコインに資金を移動させているようだ。
「アルトコインが売られるなかでビットコインの相対的なドミナンスは上昇している。メジャーへの逃避(クラッシュが起こる前のファーストステップ)だ」と匿名の暗号資産トレーダー兼アナリスト、@52kskewはツイートしている。
ビットコインのドミナンスは2022年11月から継続的に上昇しており、2023年3月のアメリカの銀行危機の際に急上昇した。Decentral Park Capitalのルイス・ハーランド(Lewis Harland)氏によると、ドミナンスは現在、3年間の上下変動パターンから脱却しつつあるようで、今後数カ月、ビットコインのアウトパフォームが継続する兆しがあるという。
時価総額No.1のドル連動型ステーブルコイン、テザー(USDT)も10日のリスク回避の動きから恩恵を受けたようだ。TradingViewのデータによると、暗号資産市場全体におけるドミナンスは5%上昇して7.82%、1月8日以来の高水準となった。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ビットコイン・ドミナンス(Trading View/CoinDesk)
|原文:Bitcoin Dominance Surges, Accounting For Nearly Half of The $1T Crypto Market, Amid Altcoin Selloff