香港金融管理局、リテールCBDCの基盤づくりに着手

香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority :HKMA)は、リテールCBDC(中央銀行デジタル通貨)を実装するための基盤づくりに着手する。同局が6月10日に発表したレポートで明らかにした。

HKMAは少なくとも2017年から「e-HKD」と呼ばれる「デジタル香港ドルの開発を検討していたが、最近の調査や市場からの意見収集などにより、リテールCBDCの「将来の実装の可能性に向け、少なくとも取り組みを始めることが必要」と確信した。

「したがってHKMAは(リテールCBDCの)実装と利用のための基礎づくり、綿密な調査と試験運用を開始する」(レポート)

世界中の中央銀行がCBDCの可能性を検討しており、国際決済銀行(BIS)は、金融システムのデジタル化を研究し、その安定性を維持することの重要性を示唆している。

HKMAのレポートは「e-HKDが現在のリテール決済市場で果たす役割はまだ差し迫ったものでないように思えるが、デジタルエコノミーにおける急速な進化、あるいは革命から、e-HKDの有望なユースケースは早急に出現し得ると考えている」と記している。

米CoinDeskは4月、HKMAはパーミッションド・ブロックチェーン上でe-HKDを開発し、民間銀行に実装を任せる方向に傾いているかもしれないと報じた。

HKMAはレポートで、政策目的から他の国々で採用されている方法まで「さまざまな要因」を検討し、「このテーマについて技術的に実現可能なソリューションをさらに追求する」としている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:香港の高層ビル群(Unsplash)
|原文:Hong Kong Monetary Authority to Prepare for Retail CBDC