学生数でカナダ最大のトロント大学は、次世代の暗号資産(仮想通貨)業界の支援を目指し、リップル(Ripple)社とのパートナーシップを締結。主に決済処理を行う独立したXRP Ledgerのバリデーターになることを計画している。
リップルの大学提携プログラムの一環
このパートナーシップは、リップル社の大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(University Blockchain Research Initiative:UBRI)のカナダにおける取り組みの一環。プレスリリースによると、同社はすでに5年間でカナダのトップクラスの大学に200万ドル(約2億8000万円)以上を投資している。
リップル社は声明でこのパートナーシップについて「カナダにおいて重要なブロックチェーンおよび暗号資産の技術研究をすでに支援しているプログラムの成長を促進させるものであり、学生に暗号資産ネイティブなキャリアのための技術スキルを習得する機会を提供するもの」と述べた。
カナダにおけるUBRIのパートナーは、ウォータールー大学とトロントメトロポリタン大学に続いて3校目となる。
リップル社は2018年6月にUBRIを立ち上げ、5000万ドル以上を投じて世界各国の17大学と提携した。広報担当者によると、それ以来、世界の大学パートナーに4700万ドル以上を提供、今年は8000万ドルに増額したという。
米国の代替としてカナダを重要視
アメリカでは暗号資産業界の取り締まりが強化され、一部企業は他の地域への移転を検討している。先週、米証券取引委員会(SEC)に提訴された大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)は、カナダの暗号資産規制を賞賛さえしている。
リップル社の戦略イニシアチブ担当シニア・バイスプレジデント、エリック・フォン・ミルテンベルク(Eric van Miltenburg)氏は「多くの暗号資産プロジェクトや企業がアメリカ国外での活動の構築を目指すなか、常に有益な教育機会を創出し、幅広い普及を実現するための人材育成を拡大することは業界の長期的な成功にきわめて重要だ」とCoinDeskに語った。
ミルテンベルク氏はさらに「カナダ、特にトロントには世界でも有数のビジネスおよびテクノロジー関連の大学があり、グローバルなテクノロジーハブとなっている」と述べ、「リップル社は暗号資産、ブロックチェーン、そしてWeb3の次世代リーダーをサポートするために、こうした大学との戦略的パートナーシップと資金提供を通じて、この地域でのプレゼンスを拡大し続ける」と続けた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:林理南
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|原文:Canada’s Largest University Starts XRP Validator in New Partnership With Ripple