ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash、BCH)を追跡する先物の建玉は、このビットコインから分派したネットワークが活動と価値の復活を見せているため、2021年5月のレベルまで急増している。
データによると、BCH価格は1週間で2倍に上昇し、時価総額10億ドル以上のトークンの中でトップクラスのパフォーマンスになった。ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)はこの期間にそれぞれ13%と8%上昇した。
BCHの建玉(未決済の先物契約)は、前週のわずか7500万ドル(約107億5400万円)から6月26日には4億ドル(約573億5600万円)超に急増した。この取引の大半は暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)から発生したもので、トレーダーは2億4000万ドル(約344億1400万円)相当のBCHのロングまたはショート・ポジションを建てたことになる。
建玉の増加は、新規資金が市場に流入しているか、既存の参加者が配分を増やしていることを意味する。この指標は、市場のセンチメントと価格トレンドの背後にある強さを判断する指標として使用することができる。
ネットワークのアップグレードと影響力のある取引所への上場は、BCHの突然の取引関心の2つの重要な触媒として機能した可能性が高い。
ビットコインキャッシュは5月にネットワークのハードフォークを実施し、誕生したばかりのネットワークのセキュリティとプライバシーは改善され、開発者がビットコインキャッシュブロックチェーン上に直接分散型アプリケーションを構築できるスケーリングシステムである「キャッシュトークン(CashTokens)」を導入した。
その他の改善点としては、取引時間の短縮に役立つ小さいトランザクションサイズの導入やスマートコントラクト機能の導入が挙げられる。スマートコントラクト機能はビットコインキャッシュベースのアプリケーションがユーザーに定期的な支払い、デリバティブ取引、クラウドファンディングの機会などを提供できるようになる。
暗号資産調査会社Santimentによると、BCHは暗号資産取引所EDX Marketsの立ち上げからも恩恵を受けているようだ。
この新しい取引所は、伝統的な金融の重鎮であるフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity Digital Assets)、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、シタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)の支援を受けており、先週火曜日に取引を開始し、ビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、ライトコイン(LTC)に加えてBCHも取り扱っている。
Santimentによると、先週からの突然の価格変動はリテール・トレーダーの注目を集め、このトークンに関するソーシャルメディアでのディスカッションは過去3年間で最高となり、今年の取引量も過去最高を記録した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Cash Sees Largest Bets in 2 Years as BCH Doubles in a Week