6月のビットコイン週足チャート
- ビットコインの週足は、6月3週目に大きく上昇し、今週は430万円を上回る水準で取引されています。6月の前半は、4月から上値を重くしていた赤のトレンドラインによって高値を切り下げる展開が見られました。一方、徐々に高値を切り下げ、足元のサポートだった350万円を試すと相場は反転し、価格は急騰しました。底値からの上昇幅は90万円を超える場面もありました。先週の週足は17%上昇し、年初来高値を大きく更新しました。価格は400万円台を回復したことで、昨年5月以来の高値圏で推移しています。ビットコインのテクニカルは強気に傾き、買い需要が旺盛であることが示されています。
足元で取引所保有ビットコインの推移
- 上図の緑のラインは取引所が保有するビットコインの数量を表しています。黒のラインは価格を表しています。取引所が保有するビットコインの数量は、5月頃から大きく下落し始めていることがわかります。同指標の下落はユーザーからの売り圧力の減少を示しており、最近の価格上昇に大きな影響を与えたと考えられます。今後も同指標の下落が続くようなら、さらに上値を更新する動きになる可能性があるでしょう。
- こちらの図では、紫のラインがビットコインの3カ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率を表してます。ここでは5月の半ばから乖離率が上昇していることが示されています。現在の乖離率は4.3%程度の上乖離となっており、先物市場でロングポジションを取る投機筋が増加していることを示唆しています。特にここ2週間で2%近く上乖離が拡大しており、価格の急騰に合わせて先物市場も大きく動いています。現在の乖離水準は今年の最高値近辺となっており、やや過熱感が出てきています。
オンチェーンでは長期保有者のフェアバリューに近づく
- 上記はGlassnodeが独自に提供している、Realized Price to Liveliness Ratio(オレンジ)とRealized Price (青)とビットコイン価格(黒)のチャートになります。オレンジのラインは長期投資家のおよそのフェアバリューとなります。青のラインはオンチェーン全体のフェアバリューと定義されています。現在はビットコイン価格がオレンジのラインに徐々に近づいています。オレンジのラインの上位に価格が浮上すると、長期投資家からの利確売りが発生することが予想されます。現在の長期投資家のフェアバリューは3万3600ドル近辺となっています。ビットコイン相場は足元で強気トレンドが発生していますが、3万3000ドル近辺からはかなり上値が重くなることが予想されます。
株高によりビットコインも連れ高
- 株式市場は昨年の強い下落トレンドから反転し、強気トレンドが発生しています。株式市場の上昇の影響から今年のビットコインは底堅い推移となっています。最近では上場企業もビットコインを保有する企業が出てきているため、株式市場との連動性が強くなっています。日経平均は30年ぶりの高値を記録しており、現在3万3000円台で取引されています。アメリカの主要株式インデックスのナスダックやS&P500は、今年それぞれ40%、15%ほど上昇しています。先週は株式市場全体の上昇が一服し下落しましたが、今週に入り、いずれのインデックスも反発しています。今後も株式市場が底堅く推移している間は、ビットコイン相場も買いが強い傾向が継続することが予想されます。逆に株式市場が崩れるとビットコイン相場の上値が重くなることになるため、金融市場全体の動きを注視する必要があります。
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:bitbank